【オリナスコラム】地方中小企業再生!<16回>あなたの会社の経営力は大丈夫ですか?
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前回迄のあらすじ;池瑠社長、後継者の池瑠課長、経営コンサルタントの谷氏が協議し、池瑠社長が、会社の遊休不動産や個人所有の不動産を任意売却で処分し、借入金の返済に充当。そして、代表取締役社長から取締役会長に退く一方で、池瑠幸一課長が、代表取締役社長に就任、さらに、古参の幹部の処遇等が固まった。
いよいよ、債権者への説明会を実施する前に、次期の経営の承継を社内に宣言する時を迎えた。
再生の現場ではリストラの苦痛を伴う。二次破綻を防ぐためには、債権者を納得させるだけでなく、次代の役員、従業員のモチベーションを維持し、
社内意思統一を計れるかが重要だ!
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~明日夕方の会議を前に、池瑠社長と次期社長の池瑠課長そして経営コンサルタントの谷氏、古参の取締役や幹部候補生を中心に、主要なメンバーでの会議が行われた~
(経営者 池溜氏)
皆揃っているかな。じゃあ、ごくろうさま、早速、臨時幹部会を開催したいと思います。
明日の全体会議を前に、これまで私を支えてくれた取締役会の皆や店長等の幹部の皆さんに、私の所感を述べ、是非、協力をして頂きたいと思います。
わが社が再生計画を策定し、金融機関の皆さんにリスケジュール等の支援に合意を頂く必要があるのはすでに申し上げています。再生計画は皆さんと協議して納得が得られるものができそうです。しかし、再生計画を策定しなければならない我が社にしてしまった肝心の経営者責任を明確にしなければなりません。
さらに、株式会社イケルの再生計画は、“金融機関を説得するための計画”ではいけないと考えています。
ここに、皆さんに、集まってもらったのは他でもありません。
株式会社イケルの再生計画の策定を通じて、未来の株式会社イケルへのバトンタッチと未来を保証する経営を推進してもらいたいと願い、ここに私の経営責任を明確にするとともに、出処進退をはっきりさせたいと思います。
~出席者が、固唾をのみ、社長を注視している~
私は、再生計画の策定において、会社の遊休不動産の処分に加え、個人所有の不動産を任意売却で処分し、借入金の返済に充当するとともに、代表取締役社長から取締役会長に退きます。役員報酬も月額120万円から20万円にさせてもらいます。本来は、完全に退かなければならないと思いますが、株式会社イケルの連帯保証人は逃れることはできません。
そこで、その後の体制を谷先生と私の息子の池瑠幸一課長が協議し、今後は、幸一課長が株式会社イケルの代表取締役社長として経営責任を全うしていきます。
会社が順風満帆であれば、ワンクッションおいて、社長にと考えていたが、中小企業の経営者と会社は一蓮托生・・・まして、再生に直面している厳しい会社を、他人様、つまり、これまで私を支えてくれた幹部の誰かに託すわけにはいかない。
そうだね、幸一課長?
(中堅幹部・後継者 池溜幸一課長)
はい、その通りです!
(経営者 池溜氏)
うむ!これまで池瑠幸一課長は一般的な雇用関係で、金融債務等の連帯保証人ではなかったが、これからは代表取締役として会社の代表さらには個人として身体を張っていくことになる。幸一新社長の報酬は月額60万円だが、このうち30万円は“仮受金”のようなものだ。再生計画にメドが立つときに、自分を担保にニューマネーを借りる最低の年収もなければならないし、会社の一時的運転資金に供する資金もなければならない。あくまで金融期間の合意が前提だが、5年間で1800万円積み立てることになる。そうですよね、谷先生?
(経営コンサルタント 谷氏)
そのとおりです。
(経営者 池溜氏)
ありがとうございます。これまで、私を支えてくれた川取締役、藤取締役、武取締役、其池部長は私の気持ちをわかってくれるか?そして、村田店長、山野店長、尾島店長、串間店長!再生期間中、再生計画を達成するために、現場を預ける君たちには“針の筵の上”で仕事をしてもらわないといけない。わかってもらえるだろうか?
~一同、うなずく~
(川取締役)
もちろんです、社長!
(経営者 池溜氏)
本当にありがとう。皆に苦労ばかりかけるな。
そこで、池瑠幸一新社長での体制の相談だが、其池部長は年齢的なものもあるし、私が第一線を退くときは退職したいと申し入れがあった。また、再生計画の策定で、新規事業だった「衛星放送とe-ラーニング事業の受験予備校」を事業譲渡することになっている。
その事業を武取締役が独立して、藤取締役とともに、引き継ぎたいと言ってくれているそうだ。こんなに嬉しいことはない。
本部も問題ないと言っているし、彼らが、新会社を設立した後、手続きを踏んで、事業譲渡したい。
(武取締役、藤取締役)
社長、心得ております。
(中堅幹部・後継者 池溜幸一課長)
川取締役、其池部長に、私からお願いがあります。川取締役は取引先の信任も厚いし、古い顧客も良く知っておられます。常務取締役として、私を支えて下さいませんか?それから、其池部長、まだまだ経営管理はこれからです。嘱託顧問として引き続き指導して頂けませんか?
(川取締役)
わかりました。武取締役、藤取締役がそういう決意で、私がお役に立てるのならば、微力を尽くします!
(其池部長)
私もです。このままでは、株式会社イケルに申し訳ない・・・。
(中堅幹部・後継者 池溜幸一課長)
ありがとうございます。どうぞよろしくご指導下さい。併せて、村田店長は営業統括の取締役としてマーケティングとマネジメントにあたらせたいと思います。
そして、山野店長は部長として、年商5億円の本店をマネジメントしてもらい、尾島店長、串間店長は課長として、各店3億円を目指す基盤づくりに取り組んでもらいたいと思います。 経理体制は、其池顧問のご指導の下、若手の営業業務の責任者をやってきた頭の切れる山田係長を課長に登用して、総務経理と営業業務を統括する管理部門を
統括させたいと思います。そして、これからは攻めのマネジメント体制を作りたいと思います。今まで不十分だったPOSデータや顧客様毎の買上履歴やフリークエントプログラムも、村田新取締役や店長が常に活用できるようにしていきたいと思います。
(村田店長)
わかりました。お任せ下さい。諸先輩たちの功績をけがすことなく、しっかりと取り組みます。なあ、皆!
(山野店長、尾島店長、串間店長)
もちろんです!
(続く)
【まとめ】経営者交替、企業の承継がスムースであれば、再生計画も半ば成功!
1.
新旧経営者交替の際に、現経営者の果たすべき役割は非常に大きい。中小企業の場合には、古参の幹部をどう処遇するか、されるかは大きな意味を持つ。しっかりとコミュニケーションし、新経営体制に禍根を残さないことだ。
2.
新経営者がバトンを受ける際には、経営者の“私心を捨て、職務に対する誠実さ”を旨とする。人事の背景にある経営者の心が全員の気持ちに届いた時、再生計画は半ば成功する、と言っても過言ではない。
by 21世紀経営クラブ 株式会社オリナス 谷口行利
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