« 2008年05月 | メイン | 2008年09月 »

2008年07月25日

【オリナスコラム】コーチングコラム<第43回>誰よりも愛すべき者 それは…自分です

一番難しい相手、それは…

コミュニケーション。
というと普通は自分以外に相手がいて、その人とお互いに意思の疎通を交わすことをいいます。
ですが、実は自分以外の他人よりももっと意思の疎通が難しい相手がいるのをご存じでしょうか?

 自分以外よりも?
ってことは残っているのは自分しかいないじゃないか。
そう、その通り。実はコミュニケーションをとるのに一番難しい相手とは「自分」の事なのです。
え、どうしてかって?
ほら、こんな事ないですか?
本当は今すぐにでも取りかからなきゃいけない事柄。
なのについつい自分自身にウソを付いて後回しにしちゃう。
思い当たること、あるでしょう。
これはあなたの表の意識と裏の意識とのコミュニケーションがうまくいかずに、罪悪感を抱えながらも行動を起こせなかったということになるのです。
では今回は、そんな自分と同コミュニケーションをとるかをお伝えしていきましょう。

 

自分をどれだけ許せますか?

「あなたは自分をどれだけ許せますか?」
この質問をすると、大きく二つに分かれます。
そう、自分を許せる人と許せない人。
自分を許せる人は、結構自分とのコミュニケーションがうまく取れている場合が多いです。
ですが、自分を許せない人はなかなか自分とコミュニケーションが取れていないようです。
どうしても二つの自分が対立しているみたい。
自分を許せない人というのは、自分の過去が嫌いな人が多いようです。
過去に犯したほんのちょっとしたことが頭の中を占めて、自分自身に後悔している。
あなたもひょっとしたらそうではないですか?
こういう人は、どうしても自分を愛せないのです。
自分を愛せないから自分にウソをつく。
だから中にいる自分と外の自分のコミュニケーションがうまくとれないのですよ。
自分とのコミュニケーションをもっとうまくとれると、決断が早くなります。
そして行動が早くなります。
こうなると周りとのコミュニケーションもうまくいくのです。
そのために、まず自分を許すことが必要なのです。

 

自分を許すためには

そうはいっても、なかなか過去の自分を許せないのではないでしょうか。
ここで一つの考え方をお伝えします。
あなたの過去、それは変えることができるのです。
「え、過去は変えられないでしょう?」
普通はそう考えます。
確かに過去にあった事実は変えることができません。
ですが、その事実をどうとらえるか、つまり過去の「解釈」はいかようにも変えることができるのです。
ほら、昔はつらくて苦しかったことでも、今思えば懐かしくていい思い出になっているって事あるでしょ。
それが「過去の解釈を変える」と言うことなのです。
私もかつてとても大変なことを引き起こしたことがありました。
ですが、その過去があったからこそ今の自分がいるのだと考えるようになりました。
すると生きるのが楽になり、さらに自分とゆっくり対話ができるようになったのです。
あなたもぜひ過去の解釈を変えて、自分を許し、自分と対話してみて。きっと何かが変わりますよ。

 

コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
お問い合わせはこちら   コーチ ユーアンドミー 

---------------------------------------------------------------------------

 ■◆◇経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナス 谷口行利へのお問合せは、
    こちらへどうぞ!⇒
”各種お問い合わせ&お申込み”

 ■◇◆経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナスが編集発行するメルマガ
   「織り成す」のお申し込みはこちらからどうぞ! ⇒
”「織り成す」メールマガジンお申し込み”

【オリナスコラム】プレゼンテーション物語<第19話>押してはいけない、引き出してみろ

河野くんのプレゼンがスタートする少し前。
古谷さんは今度は展示ブースで控えているエコ・フレンドリー社の面々にこんな事を言い出しました。

古谷さん「河野くんのプレゼンの方は問題ないでしょう。
     ところでこちらの受け入れ態勢はいかがですか?」

---------------------------------------

登場人物

浜田部長:エコ・フレンドリー社の営業部長 柔和な性格
清水課長:エコ・フレンドリー社の営業課長 物事をスパスパ切るのが得意
大野さん:エコ・フレンドリー社の総務女性 不安性な性格
河野くん:エコ・フレンドリー社の営業担当 広報の腕はピカ一なのだが…
古谷さん:プレゼンテーションアドバイザー 穏和な中にも厳しい言葉が特徴

---------------------------------------

浜田部長「受け入れ、といいいますと?」
清水課長「あ、河野くんのプレゼンを聞いてこのブースに商談にやってくる方への対応のことですね。
     それならば準備はバッチリです」
古谷さん「どのような準備をされているのですか?」
清水課長「今回売り出しを行っているフレンドリーソイルのカタログ、施工例、そして価格表。
     こういった営業ツールも見直しを行っていますのでバッチリですよ」
古谷さん「なるほど。
     では清水さんはお客様に対してどのような手順で対応しようとお考えなのでしょうか?」
清水課長「手順、ですか?
     そうですね、河野くんのプレゼンでこの商品に興味は持っているでしょうから、もっと詳しい説明をしようと思っています。
     特にプレゼンでは一部しか紹介していない施工例などを。
     それによって、お客様のニーズに合うような使い方が見つかるんじゃないかと思います」
古谷さん「なるほど。
     ところで一つお聞きしてよろしいでしょうか。
     今回のターゲットは誰でしたっけ?」
清水課長「えっ、ターゲット、ですか?
     そういえば一般客はここにはほとんど来ないんだ。
     どちらかといえば業者ばかりですよね」
大野さん「そうよ、今のやり方だったら一般客への押し売りと一緒だわ。
     そんなやり方じゃ、私だったら興味を持っても身構えちゃうわ」
浜田部長「そう言われればそうだなぁ。
     でもどうしたら弊社の商品の購入へとつなげられるのでしょうか?」
古谷さん「せっかくいい資料と展示パネルで興味を引いて来てくれたのです。
     しかし興味の度合いはまだ10段階のレベル3といったところでしょう。
     このレベルをもっとあげるコツ。
     これは前にプレゼンのストーリーをつくるときにやりましたよ」
清水課長「プレゼンのストーリーづくり?
     えっと、確か最初は不満点をあおる、でしたね」
古谷さん「その通りです。
     それをここでもやるのです。
     プレゼンテーションの場はどうしても一方通行。
     お客様の頭の中でしかその不満点は見えません。
     これを口に出させるのです」
大野さん「そうか、河野くんのプレゼンで募った不満をこの場で吐き出させるってことなのね」
古谷さん「そう、その通り。
     これを行うことで、興味の度合いは7から8くらいまで引き上げることができるでしょう。
     そうなれば後一押しです」
浜田部長「そうか、最初から押してはいけないのですね。
     この場では興味の度合いを引き上げる。
     すなわち相手の意欲をさらに引き出すことが大事なんですね」
古谷さん「そう、実はこういった営業の場もプレゼンテーションの一つなのですよ。
     プレゼンテーションとは何も大勢の人数の前で語ることだけを言うのではありません。
     一対一の場面、これもプレゼンテーションなのです。
     ですから、基本の形を忘れないで下さい」
清水課長「なるほど、基本の形というのはわかりました。
     けれど相手の興味が7とか8に引き上げられたって、どうやったらわかるのですか?」
古谷さん「これといった指標が明確にあるわけではありませんが。
     目安としては、会話の時間ですね」
大野さん「会話の時間?」
古谷さん「えぇ、相手が話す時間とこちらが話す時間の比率が7対3、もしくは8対2くらいになったら、興味の度合いがそれだけ引き上げられたとみて間違いないでしょう」
清水課長「えっ、営業ってこちらが説明する時間の方が普通長くないですか?」
古谷さん「それは従来型、いわゆるプッシュ型の営業といわれているものです。
     その商品のいいところや特徴といった情報をお客様に伝えるやり方です。
     しかしそれではお客は押されてしまい、逆に逃げてしまいますよ。
     これからの営業スタイルはプル型、コーチング型とも言われています」
大野さん「あ、コーチングって相手から答えを引き出すあれでしょ」
古谷さん「そう、その通り。
     つまり今回も相手の興味を、会話を通じてさらに引き出すことが肝心なのです。
     そうすることで、相手の方から『これが欲しい』と言ってくれるようになるのです」
浜田部長「なるほど、その段階までくるとお客様の方から情報が欲しいと言ってくれるようになるのですね。
     ここでカタログやパンフレットを見せて情報を提供する。
     そうですよね、古谷さん」
古谷さん「はい、浜田部長のおっしゃる通りです。
     この段階まで来ると、今度は向こうの方から欲しいものを要求してきます。
     その声がかかるまでは辛抱です。
     しかしこの声がかかると、かなり高い確率でこの商品、フレンドリーソイルを購入してくれるでしょう。
     これは高確立セールスとも言われる手法です」
清水課長「なるほどなぁ。
     河野くんのプレゼンの直前にこれを聞いておいてよかったよ。
     危うくお客様を取り逃がすところだった。
     こんなことではせっかくがんばってくれている河野くんに面目が立たないからなぁ。
     おっと、もうこんな時間だ。
     そろそろ河野くんのプレゼンが始まるぞ」

自分の営業スタイルを見直す清水課長。
その姿を見て古谷さんも安心したようです。

<続く>


●今回のポイント
1.一対一の営業の場もプレゼンテーションである
2.相手の興味の度合いが引き上げられてから詳細説明をする
3.興味の度合いを引き上げるには、相手に話をさせることが大事


プレゼンの準備、そしてその受け入れ準備もできたエコ・フレンドリー社のメンバー達。
さぁ、いよいよ本番の幕が下ろされる時が来たようです。
河野くんのプレゼンは、そしてお客様を受け入れるメンバー達はうまくいくのでしょうか?
次回、このプレゼンテーション物語の本当のクライマックスを迎えます!

 

コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
お問い合わせはこちら   
コーチ ユーアンドミー 

---------------------------------------------------------------------------

 ■◆◇経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナス 谷口行利へのお問合せは、
    こちらへどうぞ!⇒
”各種お問い合わせ&お申込み”

 ■◇◆経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナスが編集発行するメルマガ
   「織り成す」のお申し込みはこちらからどうぞ! ⇒
”「織り成す」メールマガジンお申し込み”

【21世紀経営クラブ】経営ワンポイント情報・不易流行『何か甘えていませんか』

必死に自分の持てる力の限り生きている人がいる。
ある支援先の研修会のなかで、支援先の会長から中村久子さんという女性の話を聞いて、とても感動したことがある。

「中村久子さんは3歳の時に突発性脱疽(だっそ)という病気にかかり、両手両足を切断しなければならなくなり、一人では何もできない体になってしまった。
その後、不幸が次から次へと襲い掛かり、7歳の時に父を亡くし、その後、弟や母を亡くし、結婚してからは夫と死別しながらも、2人の子供を立派に育てて73歳の生涯を閉じた人で、ヘレンケラー女史が日本に来た時に面会し、『私より不幸な、そして偉大な人』と言わしめた人物だ。生活のために、興行の世界に入り、『だるま娘』という名前で仕事をして生活の糧を得ていた。
私たちから見れば、なんと不幸な人生だろうと思ってしまうが、当の中村久子さんは『私ほど幸せな人生を送れた人はいない。なぜなら、手も足もない私は、着物の帯をしめることと髪を結うこと以外は何でも自分でできた。能力のすべてを生かしきった人生を送ることができた私はとても幸せだった』と言ったそうです。
中村久子さんのことを考えると私はまだまだ勉強することがあるなと反省している」

会長は刻苦勉励の努力の人で、人一倍自己に厳しく、人にやさしい。常に、内面を見つめ、心を磨き、勉強熱心な経営者として尊敬している。
どのような人からも学ぼうという意欲がすごくて、一言も聞きもらさないようにこまめにメモをとっておられる。その会長の話はいつも奥が深く、心にびんびんと響いてくる。

この話を聞きながら、「五体不満足」の著者で両腕両脚のない乙武洋匡さんのことばを思い出す。
「障害は不便ですが、不幸ではありません」
乙武洋匡さんは小学校教諭でしかもスポーツライターである。両腕両脚がないのに、スポーツが得意だというすごい人です。

五体満足なのに、やるべきことを先に延ばしたり、ごまかして言い訳をしたりすることがある自分が情けなくなった。
終わりたくても終わることができないほどの苦境の中にあって、現実を受け入れたうえで、将来を悲観せず、足元を見つめて自分のできることを必死で取り組んでゆく中村久子さんや乙武洋匡さんの姿を見て、自分はなんと甘えていきているかと反省しきりである。

行動もしないで簡単にあきらめたり、やりもしないでできない理由ばかり並べ立てたり、説得する努力もしないで、わかってくれないと愚痴をこぼしたり、考えもしないで安易に失敗ばかりして、挙句の果てに何の反省もない。
このような心根は絶対持つまいと心に誓った。

by 21世紀経営クラブ ㈱目加田経営事務所 目加田博史
 

 21世紀経営クラブ・・・21世紀経営クラブは「ISO9001:2000」の認証を受けています。オリナスはクラブパートナーです。

◇株式会社目加田経営事務所(那覇、上海、関西、ロンドン) http://www.mekata.co.jp/

◇株式会社オリナス(東京、九州) http://www.orinas.co.jp/

--------------------------------------------------------------------------------------------------

 ■◆◇経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナス 谷口行利へのお問合せは、こちらからどうぞ!  ⇒”各種お問い合わせ&お申込み”

 ■◇◆経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナスが編集発行するメルマガ「織り成す」のお申し込みはこちらからどうぞ! ⇒”「織り成す」メールマガジンお申し込み”

【21世紀経営クラブ】経営に役立つISOシリーズ-ISOが効果を出さない理由-

 ISO9001の認証取得をしており、今回更新審査を迎えたある建設業の会社での審査機関の審査の場面です。審査員は社長と管理責任者に対してインタビューをしています。

審 査 員:

早いものでもう更新審査を迎えましたが、これまでの運用は御社の期待に応えるものでしたか?
社   長:
良い点もありますが、不満な点も多いのです。「ISOに取り組めば会社は良くなる」、といううたい文句を聞いたからISOに取り組んだのですが効果は十分ではないと思っています。

審 査 員:
具体的にはどんな点が不満ですか?
社   長:
ISOをやると、目標管理ができる、営業活動が上手く進み仕事が増える、等々の効果を期待したのです。
審 査 員:
皆様のシステムを見せて頂くと、社長が今おっしゃった目標管理プロセスや営業活動プロセスに関する手順は品質マニュアルを見ると、ほとんど明確には書かれていませんね。何かほかに手順書などのシステムがあるのでしょうか。
管理責任者:
いえそれは、ありません。手順は品質マニュアルに書かれているだけです。
審 査 員:
手順がないから上手くいっていないのではないでしょうか?現在上手くいっているならば、その通り継続していけば良いでしょう。しかし、上手くいっていないならば、そこを変えなければならないのではないでしょうか。御社の場合は効果を出したいと思っている課題について、手を打っていないので期待に沿う効果が出ていないと考えるべきです。
社   長:
私たちはISOを導入すれば、目標管理や受注管理が上手くいくのだと思っていました。
審 査 員:
残念ながら、社長は少し思い違いとしておられるようです。ISOは万能薬ではありません。手順を全社に徹底したり、どこに問題があるかが社長や管理責任者に分かるようにする道具と考えるべきです。
社   長:
当社は目標管理プロセスと受注管理プロセスの手順をもっとしっかり構築して実施すべきということですね。

ISOは効果が出ない、という声をよく聞きます。ISOはどうして効果が出ないのでしょう。その理由を考え、その対応を検討します。


重要プロセスの管理のためのツール(仕組み)をISOに組み込む


会社が効果を出すことを期待している受注管理プロセスや目標管理プロセスなどはISOの規格には詳しく規定されていません。それは、各社がそれぞれ独自の手順(仕組み)を持っているはずで、それを組み入れるべきだからです。

<各プロセスに対する規格要求事項>

 
 プロセス 対応する規格 

 規格要求の概要                

受注管理プロセス 

 7.2.3 顧客とのコミュニケーション 

 

 顧客とのコミュニケーションを図るために、効果的な方法を明確にし、実施すること。

 目標管理プロセス

 5.4.1 品質目標

 

 組織内のそれぞれの部門及び階層で品質目標が設定されていることを確実にすること。

品質目標は判定可能であること。

 

 現在のISOのシステムにおいて、重要なプロセスのパフォーマンスが十分でないならば、手順(仕組み)が十分でない可能性が高いです。
手順(仕組み)を早急に組み入れましょう。
会社内にまだ手順が確立されていないならば、プロジェクトを立ち上げ構築しましょう。(受注管理システム、目標管理システムなど)

まとめ
5.4.1品質目標や7.2.3顧客とのコミュニケーションなどの企業にとって重要なプロセスについて規格要求事項は詳細には要求していません。それは各会社毎にオリジナルのシステム(ノウハウ)があるべきだからです。もしそれを組み込んでいなければ、ISO審査で不適合は出ませんが、会社の期待する効果は出ません。是非システムの見直しをしましょう。

 

by 21世紀経営クラブ ㈱目加田経営事務所 根橋弘行
 

 21世紀経営クラブ・・・21世紀経営クラブは「ISO9001:2000」の認証を受けています。オリナスはクラブパートナーです。

◇株式会社目加田経営事務所(那覇、上海、関西、ロンドン) http://www.mekata.co.jp/

◇株式会社オリナス(東京、九州) http://www.orinas.co.jp/

--------------------------------------------------------------------------------------------------

 ■◆◇経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナス 谷口行利へのお問合せは、こちらからどうぞ!  ⇒”各種お問い合わせ&お申込み”

 ■◇◆経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナスが編集発行するメルマガ「織り成す」のお申し込みはこちらからどうぞ! ⇒”「織り成す」メールマガジンお申し込み”

【オリナスコラム】地方中小企業再生!<第4回>あなたの会社の経営力は大丈夫ですか?

経営陣に明確な危機意識と役割意識(=責任感)があるか!

 ----------------------------------------------

前回迄のあらすじ;
地方中小企業の経営者 池溜(いける)氏はメイン銀行での借り換えがうまくいかず、逆に再生支援機関の紹介を受ける。対応に窮した池溜(いける)氏は、経営コンサルタント谷氏の話を聴くことにした。

そして、谷氏は、3ケ月間の元本返済停止を要請し、再生計画を早急に作成しようと言うのだった。さらに、金融機関に借入金元本のリスケジュールや債権放棄その他の対応を依頼する再生計画策定と経営責任への覚悟を意思統一するため、緊急取締役会を開催し、谷氏が、会社の状況を説明することに。

--------------------------------------------------

(経営者 池溜(いける)氏) 
これから、臨時取締役会を開催します。先日、お話しているように、我が社は資金繰りが回らず、窮状に陥っています。その状況を、経営コンサルタントの谷先生にご説明頂こうと思っています。よろしくお願いします。

(経営コンサルタント 谷氏) 
皆さん、おはようございます。臨時取締役会にお招き頂きました経営コンサルタントの谷です。今日はよろしくお願い致します。

今日はたっぷりお時間を頂いていますが、まず、結論からお話します。
この表をご覧下さい。金融機関からみた我が社の債務者区分(=格付け)は“要注意先”になっており、このまま取締役会が一致団結して、再生計画を練らなければ、“破綻懸念先”になる可能性があります。その先は、資金繰りがまわらず、法的整理の恐れがあるのです。

(「表;債務者区分と金融機関の組織対応例」略)

幸い、メイン銀行さんは自己資本比率の優良な地方銀行。メイン銀行さんが我が社を不良債権とみなさないよう、納得される再生計画を策定する必要があります。金融機関に借入金元本のリスケジュールや債権放棄その他の対応をお願いするわけですから、社長を筆頭に、取締役会の構成員である取締役の皆さんにも、経営責任を求められます。ましてや、多くの中小企業様は、取締役が借入金の連帯保証人になっておられ、会社と取締役個人は一蓮托生なのです。 
(取締役 池溜(いける)氏) 
今まで、社長についていけばうまく行っていました。売上もそこそこある我が社が何で!あぁ・・・。
(取締役 川氏) 
だから、社長には意見具申しようといつも思っていたんですが、 常にトップダウンで、私も勇気がありませんでした。

(取締役 藤氏) 
取締役会は都合の悪い時だけ開催、またか、という気持ちです。
(取締役 武氏) 
そうだ、我々もある意味、被害者です。会社の経営成績を知らされていなかったし、いつも、池溜社長と経理部長の其池(それいけ)だけでやっていて・・・。
(経営コンサルタント 谷氏) 
皆さん、ここは取締役会です。責任逃れや犯人探しは止めて、会社を守ることに全員が集中して下さい。
(取締役・・・) 長い沈黙の後・・・
わかりました。従業員のために、我が社に帰ってきた後継者の池溜君のために、さらには自分達のために、なんとか、この難局を乗り切りたいと思います。先生、よろしくお願いします。
(経営コンサルタント 谷氏)
ありがとうございます。涙が出そうだ。勇気が出ます。幸い、我が社がラッキーなのは、メイン銀行さんが地元の優良金融機関であり、 中小企業再生支援協議会(※以下、「協議会」)を紹介してくれています。
常日頃、決算書と事業展開を見ているメイン銀行さんが、協議会を紹介してくれるということは、再生支援の可能性があるということです。  

その可能性とは、代表的には次の2点です。
財務デューディリジェンス(調査。以下「DD」)後の貸借対照表で、純資産残高がマイナスという債務超過残高が、再生計画の中期5年度目あたりで、プラスに転じること。
「①」の上での債務償還年数(平均有利子負債残高/フリーキャッシュフロー)が概ね10年以内であること

次に、各種DD、財務DD,事業DD,法務DDなどがあります。
今回の我が社のケースでは、メイン銀行さんが紹介をしてくれた協議会に相談を行い(第一次対応)、そこで窓口専門家から、資料照会の上で、経営全般についてのヒアリングや協議を行います。ここで抱える課題を抽出し、方向性が一致できれば、具体的な個別支援として、個別支援チームが構成され、複数の専門家の助言や支援を受けながら、経営の改革・改善計画の具体化のための再生計画の策定に入ります(第二次対応)。
特に、地方中小企業の場合は、決算書が曖昧な点もあるため、公認会計士による調査・報告書策定である財務DDに力点がおかれます。その上で、実態に即した経営分析や事業性分析、再生計画を策定する事業DDに入ります。テーマによっては、法務DDも入るでしょう。
ところで、財務DDが終了し、先ほどお話した貸借対照表で、純資産残高がどういう状況なのか、を把握します。ここからが、再生計画策定のスタートでしょう。

1.経営に関する現状認識を行います。財務DD後の決算書が社長の、取締役会の経営通信簿でしょう。決算書や各種数値による定量分析やその背景である定性分析を行います。

2.貸借対照表は我が社の財政状態。資本の活動の状態です。純資産がマイナスということは、我が社において、自分達が築き上げた利益が存在していない、ということです。信じられないでしょうけど・・・。
また、会社の資金繰り体質も現れています。抜本的に見直します。

3.損益計算書は我が社のビジネスモデルです。その方程式をしっかり分析します。今後の市場動向やユーザーニーズの変化、競争環境、社内環境を踏まえ、なぜ、“経営が悪化したのか?“その問題点と真因を把握します。その上で、我が社の特長を活かし、今後どのように、再生を図るかを踏まえて、事業性をしっかりと見極めます。特に、売上が横ばいでも、再生できるという計画を策定しなければ、金融機関は首を縦に振りません。
いずれにしても、ここで、どれだけのキャッシュフローが出せるかを客観的に示し、その対策に合理性があることが最大のポイントです。

4.経営責任を明確にする。
再生計画においては、債権者である金融機関さんに、元本返済の猶予(=「リスケジュール」)を始めとした痛みをお願いするわけです。当然、我が社も、経営責任が求められます。
経営責任とは、①経営者交代や役員報酬の大幅減額、②減資、③私財提供などがあります。
つまり、経営責任を明確にし、債務者区分の格付けをあげる再生計画を策定すれば、事業や会社は残せるのです。
今回、気をつけなければならないことは、取引金融機関が合計で5つあるということ。担保設定の状況にもよるし、一筋縄ではいかないですね。
ちょっと、休憩を入れて、今後の協議会の仕組みの流れや“経営悪化の理由“を協議するために、中小企業の経営リスク対応チェックリストを説明しましょう。(次号に続く)

by 21世紀経営クラブ 株式会社オリナス 谷口行利

 

■21世紀経営クラブ・・・21世紀経営クラブはISO9001:2000の認証を受けています。オリナスは21世紀経営クラブのパートナーです。

◇株式会社目加田経営事務所(那覇、上海、関西、ロンドン) http://www.mekata.co.jp/

◇株式会社オリナス(東京、九州) http://www.orinas.co.jp/

-------------------------------------------------------------------

 ■◆◇経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナス 谷口行利へのお問合せは、こちらからどうぞ!  ⇒”各種お問い合わせ&お申込み”

 ■◇◆経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナスが編集発行するメルマガ「織り成す」のお申し込みはこちらからどうぞ!⇒”「織り成す」メールマガジンお申し込み”



 

【オリナスコラム】地方中小企業再生!<第3回>あなたの会社の経営力は大丈夫ですか?


金融機関は担保だけでなく、キャッシュフロー主義へ面舵をきっている!
特に、あなたの会社の営業キャッシュフローは大丈夫ですか?_

前回のあらすじ;地方中小企業の経営者 池溜(いける)氏はメイン銀行での借り換えがうまくいかず、逆に再生支援機関の紹介を受けた。
対応に窮した池溜(いける)氏は、経営コンサルタント谷氏の話を聴くことにした。
そして、谷氏は、3ケ月間の元本返済停止を要請し、再生計画を早急に作成しようと言うのだった。

(経営コンサルタント 谷氏) おはようございます。早速、前回の続きを進めましょう。決算書及び科目明細、固定資産の減価償却一覧、税務申告書を3期分、定款、会社案内等の書類はご用意頂きましたね。
(経営者 池溜(いける)氏) はい、こちらです。よろしくお願いします。

(経営コンサルタント 谷氏) 少し拝見します。バランスシートで純資産が5000万円程の債務超過になっていて、今期の経常利益は500万円ほどの赤字ですね。金融機関は5行で、どうやらメガバンクからの融資はなく、地方及び広域銀行と保証協会の5行ですね。あれれ・・・減価償却費が少ないですね。   あっ、そうか!其池経理部長が、赤字を抑えるために減価償却費を500万円ほど計上していないと言われていましたね。すると、実質赤字は1000万円ですか。すると、前期の黒字というのも、減価償却費はどうなんですか?其池部長。


(経理部長 其池(それいけ)氏) はい、申し上げにくいのですが、やはり、550万円ほど未償却なんです・・・。つまり、前期も実質、赤字になります。金融機関への返済の延滞だけはなんとか避けてきました。
(経営者 池溜(いける)氏)なんだと!どうして、詳しく説明しなかったんだ。
(経営コンサルタント 谷氏) まあまあ、今、そんなことを言っている場合ではありません。社長、ということは、実質、5期連続赤字ということですね。それで債務超過5000万円というのも財務評価をすると拡大しそうだ。金融機関も借り換えに応じない・・・急がないといけないですね。
  社長、この5期実質赤字の原因はなんでしょうか。


(経営者池溜(いける)氏) えぇ、5年前に、これから教育産業が有望だと考え、取締役会での協議が十分でないまま、新規事業をスタートさせました。衛星放送とe-ラーニングをミックスした受験予備校のFCに加盟しまして、その教室の不動産投資とか 人件費などの運転資金で1億円ほど長期資金を借り入れました。ただ、私も小売業を長くやっていて、お客様が共有できるかもと思い始めたんですが、なかなかいい講師の確保や事業PR、運営体制が十分でなく、講座の申し込みも未達成が続き、収益が上がっていないのが現状です。


(経営コンサルタント 谷氏)試算表などをみると、独立採算制もできていないようだ。5年間も、営業キャッシュフローの源泉である営業利益が出ていない。つまり、営業キャッシュフローの中で借入金の元本返済ができないという状態に陥っている。一過性の赤字か、恒常的な赤字か?事業性も含めた分析をしっかりする必要がありますね。さらに、金融機関に提供している担保物件(経営者個人所有物件も含む)の評価も含めて、与信面はどうかもポイントです。
 いずれにしても、現在のメイン銀行の融資姿勢が明らかに変わり、お聴きしている範囲では、債務者区分が変わり、優秀支店から本部の管理に移管される段階かもしれません。つまり、御社でも売掛金が取れなくなると、担当から上司や取締役、本部に管理を移すでしょう?それと一緒なんです。

----------------------------------------------------------------

表;債務者区分と金融機関の組織対応例

債務者区分
借入金元本の返済状況
金融機関担当部署
正常先
A
    業績良好で財務も問題ない債務者支店融資第1課
要注意先
B
    業績低調で延滞など今後注意する債務者支店融資第2課
要管理債権先
B'
    要注意先で要管理債権がある債務者支店融資第2課マネジャー
破綻懸念先
C
    今後、法的・形式的破綻が懸念される債務者本部法人支援部
実質懸念先
D
    法的・形式的に実質破綻に陥っている債務者本部法人管理部
破綻先
E
    法的・形式的経営破綻の事実がある債務者本部法人管理部

 ----------------------------------------------------------------

この債務者格付けは、2期連続債務超過ならば、延滞がなくても、BCで評価されるようになっています。債務超過でなくても、赤字になるとBの評価を受けます。取引銀行の経営体力にもよりますが、幸い、メイン銀行さんは自己資本比率の優良な地方銀行。一方、メガバンクだったとすると、債権を債権買取会社(サービサー)に売却して、クールな債権回収が始まるんです。お話を伺うと、まだまだ支援をして頂ける状況ですね。御社の場合は、ここが踏ん張り時です。
金融機関が不良債権とみなさないよう、納得される再生計画を策定する必要があります。金融機関に借入金元本のリスケジュールや債権放棄その他の対応をお願いするわけですから、経営責任を求められますが、社長よろしいですか?
そして、緊急取締役会を招集して下さい。私が詳しく会社の状況を説明します。 (次号へ続く)

 

by 21世紀経営クラブ 株式会社オリナス 谷口行利

 

■21世紀経営クラブ・・・21世紀経営クラブはISO9001:2000の認証を受けています。オリナスは21世紀経営クラブのパートナーです。

◇株式会社目加田経営事務所(那覇、上海、関西、ロンドン) http://www.mekata.co.jp/

◇株式会社オリナス(東京、九州) http://www.orinas.co.jp/

-------------------------------------------------------------------

 ■◆◇経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナス 谷口行利へのお問合せは、こちらからどうぞ!  ⇒”各種お問い合わせ&お申込み”

 ■◇◆経営コンサルティング&プレゼンテーション オリナスが編集発行するメルマガ「織り成す」のお申し込みはこちらからどうぞ!⇒”「織り成す」メールマガジンお申し込み”