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【オリナスコラム】プレゼンテーション物語<第16話>説明をしてはいけない

登場人物

浜田部長:エコ・フレンドリー社の営業部長 柔和な性格
清水課長:エコ・フレンドリー社の営業課長 物事をスパスパ切るのが得意
大野さん:エコ・フレンドリー社の総務女性 不安性な性格
河野くん:エコ・フレンドリー社の営業担当 広報の腕はピカ一なのだが…
古谷さん:プレゼンテーションアドバイザー 穏和な中にも厳しい言葉が特徴

工業展示会のプレゼンテーションに向けて、その練習を積むエコ・フレンドリー社の面々。
プレゼンテーションの最初の二分間の重要性を感じその組み立てをしっかりと行ったようです。
さて、今回はいよいよプレゼンテーションの本題へと進んでいきます。

古谷さん「じゃぁ次はプレゼンテーションの本題へと進んでいきましょう。
     河野さん、今作り上げている内容を20分で発表してもらえますか?」
河野くん「え、20分ですか?
     プレゼンテーションの時間って30分あるんじゃないですか?」
古谷さん「確かに30分ありますが、最初の二分間は話の枕として使いますよね。
     そして質疑応答の時間が最低でも五分ほど必要になると思われます。
     そうすると残りは23分です。
     20分きっかりで終わるように組み立てると、3分ほど余裕ができますので当日のトラブルにも対応できるし、余った時間でその場でひらめいたことをお伝えすることもできますから」
大野さん「そうよ、何事も余裕を持って事に望まなきゃ。
     だから河野くんはいつもあわてちゃうのよ」
河野くん「おいおい、それは言うなよ。
     わかりました、では今用意している原稿をなんとか20分で読んでみます」

こうして河野くんは用意した原稿を多少急ぎ足で、パワーポイントのスライドを使いながら20分で読み上げた。

古谷さん「河野さん、お疲れ様です。
     では皆さんに率直な感想をお聞きしましょう」
清水課長「我が社の製品の説明についてはまぁまぁいいんじゃないかと思いますけど。
     けれど何だろう、どうも印象に残りにくいなぁ」
浜田部長「そうだね。
     それに申し訳ないけれど、途中でちょっと眠たくなってきたよ。
     なんだか説明がお経のように聞こえてね」
河野くん「お、お経だなんて…」
大野さん「う~ん、私も同じように感じたわ。
     確かに内容としてはそれなりにおもしろいし、前に作った流れに沿っているのは確かなんだけど。
     何がいけないのかしら?」
古谷さん「皆さんなかなか厳しい意見ですね。
     けれど私もそう感じたのは事実です。
     でも河野さん、安心して下さい。
     これは多くのプレゼンテーションが犯す大きな勘違いを河野さんも行っているだけですから。
     他の三人の方がやっても、きっと同じ結果になっていたはずです」
河野さん「その大きな勘違いって、一体なんですか?」
古谷さん「大きな勘違い、それはプレゼンテーションで説明をしてしまうことなのです」
浜田部長「古谷さん、それはおかしいじゃないですか。
     プレゼンテーションってこちらが皆さんに提供したいものを説明することじゃないのですか?」
清水課長「いや、そうとも言い切れませんよ。
     今思い出したのですが、私が前に展示会で聞いたプレゼンテーションはこちらがグイグイと興味をそそるような組立になっていました。
     あれは説明を聞いているという印象はなかったですね」
浜田部長「ではそこでは何が行われていたのかね?」
清水課長「今それを思いだそうとしているのですが…」
古谷さん「清水さん、そのプレゼンテーションってひょっとしたら聞いている皆さんにいろいろと質問を投げかけてはいませんでしたか?」
清水課長「そうそう、そうだった。
     確か最初の方ではこんな実状がありますが、皆さんのところではいかがですかと問いかけて、何人かにインタビューしてましたよ。
     製品について解説するときもクイズ形式みたいにして問いかけをして、アンケートなんかをとってその後正解として新技術を解説してました」
大野さん「なるほど、それだったら聞いていて楽しそうね。
     それにグイグイと内容に惹きつけられそうだわ」
河野くん「なるほど、それなら眠たくはならないな」
古谷さん「そうなんですよ、今の清水さんの解説にあったようにこちらが質問を投げかけることでその興味をより深く持たせることができます。
     人は質問をされるとそれについて考えます。
     そのときに頭の中で何かしらのイメージを作り上げます。
     そして正解が発表されると、そのイメージと比較した新しいイメージを頭の中に作り上げるのです。
     結果としてその時に抱いたイメージが頭の中に焼き付けられて、興味を持ち始めるのです」
浜田部長「そうか、一方的な説明ではだめなのか。
     今は双方向の時代、インターネットでも相互で作り上げるコンテンツが流行っているからな」
古谷さん「そう、それがWeb2.0という考え方です。
     昔は一方的な情報伝達で終わっていたものが、掲示板やソーシャルネットワーク、コメント付きのブログといったもので双方向のコミュニケーションが取れるようになりました。
     そのおかげでインターネットの利用率は格段に上がっています」
大野さん「あ、私もソーシャルネットワークってのやってるよ。
     まだ会ったこともない人でもなんとなく親近感湧くから、インターネットを通じていっぱい話ができるから楽しいですよ」
清水課長「プレゼンテーションも双方向で行うことが大事なのですね。
     そうすればその場での交流も高まりそうだし、我が社の製品を通じてちょっとしたコミュニケーションがとれそうですね」
古谷さん「そうなんです、これがこれからの時代に求められるプレゼンテーションではないかと私は考えています」
大野さん「河野くん、今のちゃんと聞いた?
     女性を口説くのもこちらが一方的にしゃべりまくってもダメなのよ。
     質問を交えて相手の興味をそそるようにしなきゃ、いつまで経っても彼女はできないわよ」
河野くん「おいおい、それとこれとは違うだろうがっ。
     そんなこと言うから大野さんも彼氏ができないんだよ」

この後、場は笑いに包まれたことは言うまでもありません。
とても和やかな雰囲気の中、プレゼンテーションにおいてはとても重要なポイントを伝えられたメンバー達。
古谷さんはここでさらに高度なテクニックを伝えようと考え始めていました。

<続く>


●今回のポイント
1.プレゼンテーションで一方的な説明は興味を失わせ眠気を誘ってしまう
2.問いかけなどを活用して双方向のプレゼンテーションを作り上げる
3.問いかけを行うことで自社製品のイメージを頭の中でつくってもらえる


双方向のプレゼンテーションという新しいテクニックを学んだエコ・フレンドリー社のメンバー達。
今度は締めのテクニックについて古谷さんが何やら新しいことを伝えようと考えているようです。
さて、それはどんなことなのか。
それは次回のお楽しみです。
 

コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
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