オリナスコラム第31回 『ワンセグ』
先月(4月)、取引先との打ち合わせでロサンゼルスに行ってきたのだが、天気も良く、暑くも寒くも無い心地よい環境の中でスムーズに仕事が出来た。
レンタカーを借りていたので、休養日にはサンタモニカからビバリーヒルズ、ハリウッドとドライブし、混雑するダウンタウンは避けてオンタリオまで足を伸ばしてみた。
フリーウェイ沿いは建物が途切れることが無く、数Kmごとに宮崎のイオンと同程度、あるいはその数倍の広さのショッピングモールが点在している。
しかも、そのすぐ近くに建築中のモールがいくつも目に入る。いくつかのモール内レストランで食事をしたが、お客も多く、人気店は1時間待ちもざらだ。
全米ではどうかわからないが、少なくともカリフォルニアは好景気の匂いがプンプンしていた。
広大なトヨタ工場など、日本企業が多数進出しているせいかもしれないが、街の中もフリーウェイも圧倒的に日本車が多く、右車線を走っていなければ日本の道路と見間違えるほどであった。
平日夕方の帰宅時間に、フリーウェイの片側7車線、街中の片側4車線が渋滞するのは、さすがに日本ではなかなか見られない光景だが。
ところで、日本ではデジタル家電を軸に景気回復傾向が顕著に現れている。
2005年度決算では、ほとんどの電機大手が増収増益を計上しており、複数の企業が過去最高の売上高を記録したようだ。
中核となっているのは、今のところ液晶テレビやDVD・ディスクレコーダなどであり、長引く不況とデジタル化過渡期で買い控えていた都市部購買層が、近づくサッカーW杯と景気回復の兆しで本格的に動き始めたということだろう。
この波に合わせて、ワンセグ対応機器も活発になってきている。
ワンセグとはワンセグメント、つまりセグメント一つということだ。
ではセグメントとは何か。
テレビは、一定の周波数の幅で送られてくる電波を一つのチャンネル(例えばUMKはUHFの35チャンネルとか)として、それを映像と音声に変換している。
地上波デジタル放送の場合、その幅は、1チャンネルあたり6MHz。その中は13個に区切られ、それぞれを独立して使用することが出来る。これがセグメントだ。
通常画質は3個だが、ハイビジョンは12個のセグメントを使うので、残りが1セグメント。
これを利用するのがワンセグ放送、というわけだ。
例えば、宮崎でデジタル放送が始まった場合、上述したUMKは16chになる予定だが、その16chの中に、テレビ受信用とワンセグ用が一緒に送られてくることになる。つまり、テレビでも携帯でもUMKは16chに合わせれば映る、ということだ。
もちろん、その為にはその放送局がワンセグ用の放送を行っていることが前提になる。
解像度で比較すると、フルハイビジョンの1920×1080ドットに対して、ワンセグ放送は320×240ドット(4対3の映像) または320×180ドット(16対9の映像)。鮮明な画像は望めないが、携帯電話やカーナビ等の画面サイズであれば充分であろう。
http://www.mdk-kk.co.jp/ch2.htm (地デジチャンネル表)
携帯電話(ワンセグ対応機種)の場合、勘違いしがちなのが、通話エリアとワンセグ受信エリア。ワンセグはテレビ局の中継アンテナから発射される電波を受ける「テレビ」なので、携帯電話の通話エリアであるかどうかは全く関係ない。
また、違う地域(例えば鹿児島)に移動すれば当然受信できるチャンネルも放送局も変わる。
普通に番組を視聴する以外の機能、たとえば緊急時のウェイクアップ機能(自動的に緊急放送を受信する機能)や双方向サービス(放送画面からのネットショッピングや番組参加)といったデジタル放送ならではの機能は、ワンセグ対応機器の性能や放送局の対応次第というものも多い。
また、デジタル化全体の問題として、2011年7月のアナログ放送停波時点で難視聴地域(テレビが映らない!)が発生する可能性が高い。
デジタル化は高いポテンシャルを提供するが、その機能が本当に活かされるのは、これまで不便を強いられてきた地域、そして高齢者など生活弱者であろう。
超少子高齢化社会に突き進むわが国にあって、ただ製品を大量に売らんがための近視眼的な企業戦略、開発はやめて欲しいものだ。
とはいえ、デバイスもアプリケーションもサービスも、多様な可能性を持っていることは間違いない。
思考回路もデジタルに切り替えて、ビジネスチャンスを探ってみてはいかが?