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2006年07月31日

オリナスコラム「谷口行利のマネジメントカフェ~新連携・新会社法をチャンスに!」

『組織』とはなんだろう、ふと自問自答したことがある。
普段何気なく使っているこの言葉を、「リーダーが考えている一人では到達できない目的・目標を、他者からの共同を得て、実現する複数の集まり」と定義してみた。
 リーダーとは、時代の子。時代を読み、他者に方向性を示す人だ。そして、人は大きな仕事や重要な仕事を成し遂げるために『組織』を創る。

 一方、最近よく聴く言葉に『コラボレーション』がある。
大辞林 第二版 (三省堂)によれば、『コラボレーション』とは、共同作業や共同製作という意味。さらに、『共同』とは「一つの目的のために力を合わせること」「あるものに対して複数の者が同じ立場に立つこと」とある。

 では、この『コラボレーション』が有効に成立するための条件はなんだろうと思っていたら、「箱根駅伝」がなぜか浮かんできた。
 昨今、東海大が黄金期を迎えているが、年始に楽しみにしているTV番組として私にとっても欠かせない。
 この箱根駅伝には、用兵の妙があると思う。箱根駅伝でタスキを繋ぐ一人ひとりを集めた組織は、単に、寄せ集めなのかというとそうではない。15年以上も前のことだが、当時、箱根駅伝を率いる監督がおっしゃったのは、特徴ある往路復路のそれぞれのコースで役割を担い、最大のパフォーマンスが発揮できる優れた『個』が前提になるということだ。
その上で、綱引き競技をみるといい。力のあり余った『個』がいれば、優勝できるのかというとそうではないのが、面白い。
つまり、呼吸が合わないと力が同じ方向に向いていかないからなのだろう。
 かくして、『コラボレーション』とは、大きなあるいは重要な目的目標を達成するために、自立した『個』が、方向性を示すリーダーに共同する行動となるのだろう。

 ただ、今まで『コラボレーション』と言っても、弱い『個』や依存している『個』から発信されていたことはなかっただろうか?
 もたれあい組織がうまくいかないことは時代が証明している。そして、利害関係の起こりやすい参加と原資と分配の方程式が描けずに、リーダーのわがままを温存した『コラボレーション』もまた継続しないだろう。

 そんな中、今春5月1日以降に会社法が変わった。有限会社はなくなるが、どんな組織も資本金1円以上で構えることができるようになる。
 何よりも、定款や内部自治制度や義務化された経理制度の中で、参加と原資と分配の方程式が明確になることだ。つまり、コラボレーション』がより現実のものとなるのだ。

 オリナス自身も、新会社法の中の合同会社(LLC)や有限責任事業組合(LLP)に強い関心を有しており、パートナーとともに設立した気持ちがある。LLPは、『個』を活かしながら、大きな仕事をするのに向いているし、構成員課税への配慮がある。なお、新会社法については、オリナスの商法コラム(URLは末尾を参照)でも触れているのでご覧頂きたい。

 また、経済産業省の外局である中小企業庁が進める中小企業政策は、「不良債権処理の加速化により、やる気と能力のある中小企業までもが経営破綻するのを回避するため、金融セーフティネット対策に万全を期すととともに、経済活性化と雇用拡大の原動力となる元気な中小企業を育成するため、個人の創業や中小企業の新事業・新分野への果敢な挑戦を強力に後押しします。 」と発表し、「中小企業新事業活動促進法」で具体的なサポートを展開している。

 その最たるものが「新連携」。それぞれの中小企業の強みを持ち寄り、新事業展開を行うビジネスモデルだ。
 これについては、下記に示したURLをご覧頂くか、オリナスの谷口も支援アドバイザー等に登録がされているのでご遠慮なくお問合せを頂きたい。
 
 不透明な経営環境の中で、従来の従属関係のみの組織から、個性あるネットワーク型組織への進化がやりやすい時代になったことは間違いないようだ。

▼「中小企業新事業活動促進法」
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shinpou/leaf.html

▼「オリナス商法コラム;新しい会社法の制定と会社法施行までの起業について」
http://www.orinas.co.jp/essay_column/s_column/s_column2_15.html

▼「LLPに対する40の質問と40の答え」
http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/pdf/faq.pdf

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2006年07月30日

オリナスコラム「谷口行利のマネジメントカフェ~経営者・幹部の価値判断基準が会社を護る」

 TVを時折見ていると「○○型のヒーターをご利用の方は至急お知らせ下さい。最悪の場合には死亡事故が起きることがあります」という某有名家電メーカーのリコール広告が流れている。TVであるが故、あくまで想像だが、さぞかし、経営幹部や担当部門は夜な夜な眠れないことだろう。
もしも、この人災による事故やトラブルが起きると一体どうなるか?

言うまでもなく、修復困難なブランドイメージ失墜と多くの損害賠償金や慰謝料などが発生、社内外に大きなダメージを受けるだろう。社内外というのは興味深い。お客様や取引先だけでなく、従業員についても経営者は広く関心を持って、「内部統制システム」を確立しておかねばなりません。
少し堅いが、会社が不祥事事件を防止する目的で、いわゆる内部統制システムという体制を構築しておかないと経営者として損害賠償責任を問われる判決が出たのでご紹介しておく。
経営者受難の時代かもしれないが、この備えが会社のブランドイメージを創り上げると考え、遮二無二取り組むしかないだろう。
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 現行商法266条の3(会社法429条)は取締役が職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、第三者に対して生じた損害を賠償する旨を規定している。本来、取締役は会社とは委任契約関係があるが、第三者(会社債権者など)とは直接契約関係にない。商法(会社法)では、取締役の職務の重要性と第三者の保護のため特に規定をおいて損害賠償責任を認めている。実務上は中小規模の株式会社が倒産したような場合に、会社財産からの債権回収を期待できない債権者が取締役の個人財産から債権を回収するための手段として利用される場合が多いといわれている。
 今回紹介する判例は、名古屋高等裁判所金沢支部判決平成17年5月18日判例時報1898号130頁である。これは小規模の乳業会社が食中毒事件により解散したことによって解雇された従業員から代表取締役に対してなされた損害賠償請求が認められた事例である。その理由として法令遵守体制の構築を怠ったことが挙げられている。
 事例を簡単に紹介すると、乳業会社が製造した牛乳に異臭がするということで販売店から回収した。その回収した牛乳を製造部長が新しい牛乳の製造のために再利用し給食用に納入した小中学校において食中毒が発生した。当該会社は保健所より無期限の営業停止処分を受けた。
 この処分により営業を継続することを断念した代表取締役は会社を解散して従業員12名全員を解雇した。従業員は、食中毒事件は異臭がするとして回収した牛乳を違法な再生産の原料として再利用することについて、代表取締役には職務を行うに際して悪意または重過失があるとして、解雇されなければ定年まで勤務することにより得られたはずの賃金などの損害賠償請求を行ったものである。
 第1審(金沢地方裁判所平成15年10月6日判例時報1898号145頁)は、代表取締役の損害賠償責任を認めた。
 そして、この控訴審でも代表取締役の損害賠償責任を認め、判決は確定した。
 この事例の特徴として、取締役の対第三者責任の理由付けとして法令遵守の体制構築義務に違反したという点を挙げることができる。最近は会社の不祥事事件を防止するために会社内にいわゆる内部統制システムという体制を構築すべきとする議論が高まり、新しい会社法においても一定範囲の会社についてはこの体制の構築を義務づける規定が置かれることになった。
 本件のように会社内に内部統制システムを構築していないとそれ以外には特に違法な経営をしていなくても、第三者に対する損害賠償責任を負わなければならないことになれば経営者にとって少し厳しいかもしれない。けれども、逆に実効性のある体制を構築すれば不祥事の発生を未然に防止することが可能となり、会社としてもまた経営者としても経営に対するリスクを軽減することができることになるのではないだろうか。
 具体的な内部統制システムの内容については、法律で規定していないので各会社の実情に応じた実効性のあるものを構築すればよいことになっている。また、会社法では取締役が2人以上いる会社、取締役会設置会社では内部統制システムの構築の基本方針については取締役会の専決事項とされ、また大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)では構築が義務づけられる。本件のような中小零細規模の会社には法律上は構築が義務づけられていないが、今後裁判所が経営者の対第三者責任が問題となった場合に、経営者自身が直接損害を発生させる行為をしていなくても、内部統制システムを構築していないことが重大な過失に該当するとして責任を認めることも視野に入れた上で経営していくことも必要となるのではないかと考えられる。
(オリナスアドバイザー 熊本県立大学 助教授 吉村信明氏)
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 ここで、クレームは“現場”を舞台とした“風土”から生まれる、と申し上げておきたい。そして、その風土は経営者や幹部が創り出すもの。決して、“担当者が勝手にやったことであり、私はわからない”と言えないのだ。

 企業のCSR(社会的責任)というのは、すべて経営者・幹部の価値判断基準から!自社について、①社会性がある会社であるか、②社会性がある商品・サービスであるか、そして、③その商品・サービスを提供する我々自身の一挙手一投足が善なりか、を問い、改め、進化するための行動なのだ。 

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2006年07月29日

オリナスコラム「谷口行利のマネジメントカフェ~”論理思考”から”放射思考”へ!」

 ”いや~、なかなか振返る機会が少なかったこともありますが、こうして我が社のビジョンや優位性を展開をしていくといろんなことに気づかされ、なんだか、勇気が出ますね”とはS社長の弁。
 最近、お客様の経営革新やマーケティング革新に対するご相談について、放射思考を活用しながら、一緒にミーティングを行い、アドバイスをさせて頂くことが増えた。

いわゆる、マインドマップというツールを使う。 一方、ファシリテーションというのも注目されている。これは、構成員個々の創造性を活用し、会議の目的の達成や問題の解決を計ろうというプロセスマネジメントの技法がある。
 いずれにしても、左脳中心で、過去の成功パターンや理論を軸に、解決策を見出そうとする”論理思考”だけでは限界があるようだ。

 今のように答えのない時代には、人間の脳をフル活用するといい知恵が浮かぶようだ。つまり、過去の延長線上に答えを見出す”論理思考”ではなく、中心から拡散する”放射思考”で創造性を発揮していく!
 そもそも、答えはお客様や現場が持っているわけだ。構成員一人ひとりの知恵がクロスファンクションというか、横断的に、またはお客様中心という視点で結合する。
 つまり、目の前に広がるマインドマップやカード式のイメージを創り上げる過程で、一人ひとりの”脳”力が最大限に活用された時、”ユーレカ!わかったぞ!”という瞬間が訪れる。

 トニー・ブザン著「人生に奇跡を起こすノート術」(きこ書房)によれば、文字が確かに優れた伝達力を持ち、情報を蓄積するためにも優れた機能を持ってはいるが、文字によって、脳の出来事を伝えようとしてきたた
めに、人間の知性は全方位的、放射線状に働く脳とは裏腹に、一面的で直線的にだけ、と極めて偏った発達を強いられてしまったと言っている。
 それだけではない、自分の頭が悪いとか、集中できないなどというのも、”文字”が原因だと言うのだ。
 彼は、人間の脳は一つの国家に譬えられるほど複雑で、膨大な作業をこなしており、5つの基本機能があるとする。
(1)「受容」・・・脳は五感のいずれかを通じて、情報を受け入れる
(2)「保持」・・・脳は記憶(蓄える、そして引き出すことの両方をカバー)する
(3)「分析」・・・脳はパターン化して認識し、その認識に基づいて情報を処理する
(4)「表現」・・・脳は思考を含む、あらゆる形のコミュニケーションや創造的な活動をする
(5)「管理」・・・脳は精神的活動、肉体的機能のすべて、つまり人間の活動すべてをモニターし、コントロールしている

これらの5つの機能は、相互に連携し、強化し合い、また放射線状に活動していると言う。
 そして、天才発明家であるレオナル・ド・ダビンチを例に取り、彼のノートは文字をつかさどる左脳型とイメージを活用した右脳型の併用であると紹介した。そこから、歴史が変わったというわけ。
 
 皆さん、”論理思考”に偏らず、”放射思考”を組織や会社に、そして会議、ミーティングの中に導入しようではありませんか。きっと、意外な展開が生まれるに違いありませんよ。

■◆◇ファシリテーションについて
 詳しくは、オリナスのパートナーでもあるコーチユー&ミーの古賀氏のサイトで紹介している。ご参照頂きたい。http://www.c-youme.com/facili 

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2006年07月24日

オリナスコラム第31回 『ワンセグ』

 先月(4月)、取引先との打ち合わせでロサンゼルスに行ってきたのだが、天気も良く、暑くも寒くも無い心地よい環境の中でスムーズに仕事が出来た。

 レンタカーを借りていたので、休養日にはサンタモニカからビバリーヒルズ、ハリウッドとドライブし、混雑するダウンタウンは避けてオンタリオまで足を伸ばしてみた。

 

 

 フリーウェイ沿いは建物が途切れることが無く、数Kmごとに宮崎のイオンと同程度、あるいはその数倍の広さのショッピングモールが点在している。

 

 しかも、そのすぐ近くに建築中のモールがいくつも目に入る。いくつかのモール内レストランで食事をしたが、お客も多く、人気店は1時間待ちもざらだ。


 全米ではどうかわからないが、少なくともカリフォルニアは好景気の匂いがプンプンしていた。

 

 広大なトヨタ工場など、日本企業が多数進出しているせいかもしれないが、街の中もフリーウェイも圧倒的に日本車が多く、右車線を走っていなければ日本の道路と見間違えるほどであった。


 平日夕方の帰宅時間に、フリーウェイの片側7車線、街中の片側4車線が渋滞するのは、さすがに日本ではなかなか見られない光景だが。

 

 

 ところで、日本ではデジタル家電を軸に景気回復傾向が顕著に現れている。
2005年度決算では、ほとんどの電機大手が増収増益を計上しており、複数の企業が過去最高の売上高を記録したようだ。


 中核となっているのは、今のところ液晶テレビやDVD・ディスクレコーダなどであり、長引く不況とデジタル化過渡期で買い控えていた都市部購買層が、近づくサッカーW杯と景気回復の兆しで本格的に動き始めたということだろう。


この波に合わせて、ワンセグ対応機器も活発になってきている。

ワンセグとはワンセグメント、つまりセグメント一つということだ。


ではセグメントとは何か。

 

 テレビは、一定の周波数の幅で送られてくる電波を一つのチャンネル(例えばUMKはUHFの35チャンネルとか)として、それを映像と音声に変換している。


 地上波デジタル放送の場合、その幅は、1チャンネルあたり6MHz。その中は13個に区切られ、それぞれを独立して使用することが出来る。これがセグメントだ。
通常画質は3個だが、ハイビジョンは12個のセグメントを使うので、残りが1セグメント。


これを利用するのがワンセグ放送、というわけだ。

 

 例えば、宮崎でデジタル放送が始まった場合、上述したUMKは16chになる予定だが、その16chの中に、テレビ受信用とワンセグ用が一緒に送られてくることになる。つまり、テレビでも携帯でもUMKは16chに合わせれば映る、ということだ。

 もちろん、その為にはその放送局がワンセグ用の放送を行っていることが前提になる。

 

 

 解像度で比較すると、フルハイビジョンの1920×1080ドットに対して、ワンセグ放送は320×240ドット(4対3の映像) または320×180ドット(16対9の映像)。鮮明な画像は望めないが、携帯電話やカーナビ等の画面サイズであれば充分であろう。

 

 

http://www.mdk-kk.co.jp/ch2.htm         (地デジチャンネル表)

 

 

 携帯電話(ワンセグ対応機種)の場合、勘違いしがちなのが、通話エリアとワンセグ受信エリア。ワンセグはテレビ局の中継アンテナから発射される電波を受ける「テレビ」なので、携帯電話の通話エリアであるかどうかは全く関係ない。


 また、違う地域(例えば鹿児島)に移動すれば当然受信できるチャンネルも放送局も変わる。

 

 

 普通に番組を視聴する以外の機能、たとえば緊急時のウェイクアップ機能(自動的に緊急放送を受信する機能)や双方向サービス(放送画面からのネットショッピングや番組参加)といったデジタル放送ならではの機能は、ワンセグ対応機器の性能や放送局の対応次第というものも多い。


 また、デジタル化全体の問題として、2011年7月のアナログ放送停波時点で難視聴地域(テレビが映らない!)が発生する可能性が高い。

 

 デジタル化は高いポテンシャルを提供するが、その機能が本当に活かされるのは、これまで不便を強いられてきた地域、そして高齢者など生活弱者であろう。


 超少子高齢化社会に突き進むわが国にあって、ただ製品を大量に売らんがための近視眼的な企業戦略、開発はやめて欲しいものだ。

 

 

 とはいえ、デバイスもアプリケーションもサービスも、多様な可能性を持っていることは間違いない。
思考回路もデジタルに切り替えて、ビジネスチャンスを探ってみてはいかが?

オリナスコラム【第24回】 こいつの話、つまんねぇなぁ そう思われないための秘技を伝授します

つまらないなぁ

世の中で、聞いていてつまらない話しベスト3。
「校長先生の朝礼の話し」 「社長の講話」 「結婚式の仲人あいさつ」。

最近は皆さんそれなりに勉強して、飽きさせないようになってきていますが、どれも皆さん心当たりがあるでしょう。

これって、どうしてつまらない話になっちゃうんでしょうね。

また、同じ内容を話しているのに、Aさんの話しはおもしろくてBさんの話しはつまらない。
これもどうしてなのかな?

そもそも、魅力のある話しにはどんな要素があるのでしょうか?

先日も、とある講演会を聞きに行きました。
冒頭は本題とちがう、ちょっとずれた話しからスタート。
でも、気がついたらその人の話に引き込まれて、最後は真剣にメモしていました。

かとおもうと、有名な先生なんだけど、最初から居眠りモードに誘われる講演も。

さて、この違いは一体何なのでしょうか?
今回はその謎に迫ります。

 

 

秘密は体験談にあり

先ほど紹介した、引き込まれた講演会。
これを分析してわかりました。

話しがうまいと思える人のパターンは、最初に自分が最近経験したことや今日何が起こったのか、といった体験談から入るんです。

「今日ね、この会場に来る前に食事をしたんです。そしたらね…」
なんてたわいのない会話。

しかし、その話しを聞いていくうちにその人と同じ世界を描けちゃう。
そして、気がついたら講演の本題である核心部分を話しています。

これも論文のような理論的な話しではなく、講演者が体験したことにひっかけて話しをしてくれます。
そこでも、講演者と同じ世界を頭の中で描けちゃうんです。

これも論文のような理論的な話しではなく、そこでも、

そう、思わず引き込まれる話しにはすべて「体験談」が盛り込まれているんですよ。
その体験の中に思ったこと、感じたこと、伝えたいことが含まれている。
だから飽きずにこちらに伝わってくるんです。

どうして体験談が良いのか?

体験談は頭の中で物語をイメージしやすいんです。

ところが理論的な話しはなかなかイメージしにくいもの。
一つわかりやすい例をだしましょう。

「メモをとるクセをつけなさい」と
誰かに伝えるときに

「いいか、いつもメモを取れるようにメモ帳とペンは用意しておけよ」
といわれたときと

「この間商談で電話番号をメモるのを忘れてね。帰ってからお客さんに電話しようと思ったらあわてちゃって。いつもメモをとるクセをつけないとね」
といわれたとき。

さて、あなたの頭の中にはどちらの方が印象深く残りますか?

 

 

作り話でもOK

この伝え方の秘技は、物語を作って伝えるのがポイント。

できればあなた自身が体験した話しの方が良いのですが、内容によっては創作した作り話でもOK。
実は寓話というのはその要素が強く根付いたものなんですよ。

有名なのは「ウサギとカメ」。
あの話でウサギが負けてしまったことからいろんな学びがあるでしょう。

私はあの寓話から「常に目標を見ている人の方が結果を出せる」ということを感じました。

この言葉を誰かにズバリ伝えるよりも、このような物語にする方が後々まで印象に残るんです。
あなたも誰かに何かを伝えたいときに、物語をつくってみましょう。

 

 

コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
お問い合わせはこちら ⇒ ”コーチ ユーアンドミー”

2006年07月23日

オリナスコラム第30回 『中小企業の環境変化』

 2006年1月、松が明けて間がない16日夕刻、ライブドア強制捜査のニュースが飛んだ。一時はNHK誤報という噂も流れるなど情報が混乱したが、子会社の決算や買収にかかわる風説の流布(証取法違反)の疑い で、東京地検の強制捜査が行われたようだ。

 同社はプロ野球球団買収やニッポン放送株買占めなどでよく知られているように、M&Aを事業拡大戦略の柱としているうえに、急成長と引き換えにかなり強引な手法も使っていたと言われている。 しかし、担保も無く借金さえできない、吹けば飛ぶようなベンチャー企業が、法律の規制やナントカ業界という抵抗勢力と戦っていると、数少ないチャンスはたとえ泥がついていようが喰らいついていく貪欲さがないと成長できないのも事実だ。

 そして特に足の速いITの世界でビジョンを実現しようとすれば、M&Aや時価総額経営でわらしべを金に換えていくことも必要になる。現代のわらしべ長者は、お行儀よく幸運を待っていては実現できないのである。

 さて、そんな「わらしべ長者予備軍」のベンチャー企業や中小企業にとって、今年は大きな変化の年になりそうだ。最大の変化は、昨年7月に公布され、今年5月に施行される見通しの【会社法】(新会社法と呼ばれている)だ。

 100年ぶりの会社法大改正とあって、ここでその全てを説明することは不可能なので、ベンチャーや中小企業にとって重要なポイントと要点だけを抜粋しておこう。詳しく知りたいときは、下記を参照して欲しい。http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan31.html      (法務省第162回国会提出主要法律案)

■ その1  『有限会社が無くなる』

 新会社法施行後に、新しく有限会社を作ることはできなくなる。ただし、施行前に設立された有限会社は特例として存続できる。株式会社の要件が緩和されてはいるが、これまでの有限会社ならではのメリットがいくつかあるので、あえて有限会社として継続、あるいは施行前に有限会社を設立しておくというのもアリだ。

 ■ その2  『資本金は1円でもOK』

 資本金1円で普通の株式会社が作れる。これから起業する人には大きな福音だろう。しかも面倒だった払込金の保管証明も不要(残高証明でよい)となり、取締役も1名でよくなる(未公開会社)。ちなみに、既に確認会社として1円起業している場合、義務付けられていた5年以内の増資や毎年の報告が不要になる。自動的に「会社見習い」から「会社」になるわけだ。ただし、「5年以内の増資」を定款変更により削除する必要があるのでお忘れなく。

 ■ その3  『合同会社(LLC)の新設』

  昨年はLLP(有限責任事業組合)の設立が認められ、ノウハウやアイディアなど目に見えない資源が生命線の個人やベンチャー企業が、大資本を相手に対等なアライアンスを組める土俵が作られたが、このLLCはそれを会社として完全な法人格を持たせることができる制度だ。構成員への報酬支払いも可能となる。

 ただし、法人税の対象となり、LLPのようなパススルー課税(構成員課税)は認められないなど、それぞれ特徴があるので、よく調査して最適な組織形態を選択することだ。 LLPについては下記を参照して欲しい。

 http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/llc_seido.htm     (経済産業省)

 さて、会社法を大改正して、会社設立の敷居を低くし、会社運営の負荷を軽減し、LLPやLLCを創設して、国は何を期待しているのだろうか。それは間違いなく『中小企業への期待』であり、『新事業創出への期待』であろう。

  これまで日本経済を牽引してきた家電、通信の大手メーカーの現状は、パソコンや通信機器は相変わらず欧米企業に主導権を握られているし、デジタル家電や携帯電話も期待されたほどの市場を形成できないまま、下手をすると急成長する※BRICsの後塵を拝しかねないところで低迷している。

(※BRICs:ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国。今後世界経済の勢力図を大きく変えていくと予測されている。)

 政府は5カ年計画で進めてきたe-Japan構想が2005年の対象期間を終えるのを受け、新しくu-Japan政策を策定し、その目標を「2010年までにユビキタス社会を実現する」ことに置いているが、それを実現するためには、以下の環境が必要であるとしている。

http://www.soumu.go.jp/menu_02/ict/u-japan/index2.html              (総務省)

1. インフラ整備有線・無線をシームレスに活用し、誰でもどこでも意識せずにネットワークを利用できる環境整備

2. 社会全体の課題解決に対するICT活用高齢化社会、人口減少社会を前提に、誰もが負担無く利用でき、しかも低コストのアプリケーションやデバイスの開発普及

3. 安心して利用できるセキュリティ対策個人情報保護や不正利用防止、ウィルス対策などネットワークを安全に利用するためのソフトウェアやデバイスの開発普及いかに高機能な製品を作っても、それを有効に、しかも安心して利用できる社会基盤が整備されていないと市場は活性化しない。

 また、これからの高齢化社会が求めるものは、ひとつの機械に多くの機能を集積し、操作が複雑なものではなく、必要最低限の機能を簡単に使えるものになるだろう。

 個人がそれぞれ抱えるハンディキャップや環境に合わせて、しかも生活の一部として意識せずに利用できるデバイスやアプリケーションを企画開発できるのは、大手の大量生産工場ではなく、個人工房や中小企業の町工場ではないだろうか。

  経済産業省では昨年、中小企業支援の3法(創造法、経革法、創出法)を、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律(中小企業新事業活動促進法)」に統合した。

 製品開発から事業化まで、資金調達や技術支援などを幅広くカバーし、産学連携や大企業連携で中小企業が得意な技術分野に特化して展開できる新連携支援策も大きく盛り込まれている。やる気とアイディア次第で大きなチャンスをつかめる環境は整いつつある。

 吹けば飛ぶような田舎の事務所に、明日は大手上場企業が手土産持参でお願いに来るかもしれない。消費税法の改正などで、申告時期を目前にして頭の痛い時期ではあるが、来年は税務署にデカイ顔をして多額の納税ができるくらい儲けましょうよ!

次回は、人口も経済も爆発中、やはり日本の脅威となるのか?「BRICs」について。

2006年07月22日

オリナスコラム第29回 『ネットトレーディング』

 『2000万儲かった!?』  『億儲けた奴がいるらしい!?』  『ジェイコム長者大量発生!?』

 来年こそは本格的な景気回復を、という願いから、今年最後のテーマにトレーディングを選んだのだが、その舞台となる証券取引所が大変なことになっている 11月に東証がシステムの不具合でほぼ半日取引停止に追い込まれたトラブルからまだ1ヶ月しか経っていない12月8日、また重大な事件が発生した。

 みずほ証券が、新規上場のジェイコム株を「61万円で1株の売り」とするところを誤って「1円で61万株の売り」と注文、全て売買成立してしまったというものだ。 どうやらいくつものミスが重なって、有り得ない事態にまで進展したようだ。

 注文の入力ミス、警告を無視した運用ミス、取り消しを受け付けないプログラムミス。どれもテスト中であれば真っ先に試される部類のチェック機能ばかりだ。これほど明白なミスは市場に精通した人間同士の取引では起こり得なかったという話もあるが、要は現場がシステムを使いこなせていないということだ。

  さて、このトラブルによる損害額は当初1000億円と報道され、現時点でも400億円以上に上るといわれているが、そこは売買で成り立つ取引所、損をする人がいれば得をした人が必ずいる。 いくつかの掲示板では、数億儲けたという話も書き込まれているが、実際に一株1円では買えないことや、信用取引の保証金と与信額などを考えると、個人で億単位の儲けというのは眉唾に思える。

 しかし、同日にストップ安とストップ高を行き来した株価から、数十万から数百万の利ザヤは十分可能、資金力があれば数千万という話も現実の範囲かもしれない。

 また、市場関係者は誤発注に気付いた可能性が高く、組織的に便乗したとすれば億単位もまんざら嘘とは思えなくなる。 最終的には強制現金決済という異例の措置により事件は収束に向かったが、決済金額は1株91万2千円。 1 株あたりの利益は、ストップ安(57万2千円)なら34万円、ストップ高(77万2千円)でも14万円。

 今回最大の利益を得たと言われる欧州系のUBSグループの場合、その差益額なんと120億円!保有株数4万株弱は、発行済み株数の2倍以上、今回公開株数の10倍以上にあたる。おそらく同業者の誤発注は見抜いていたはずで、それに便乗するやり方には問題もありそうだ。(12/15現在、UBSほか証券会社数社は今回の利益をみずほに返還するとの報道あり)

  さて、今回の顛末で注目すべきは、これだけの激動がたった16分の間の出来事だったということと、この瞬間的なイベントに飛び込める個人投資家が大勢いたことだ。1円で61万株の売り注文、当然株価は急落する。その4分後にはヤフー掲示板にこの異変に関するおそらく最初の書き込みがあり、その後ストップ高まで急騰し売買が成立しなくなるまでの16分間、ネット上の掲示板であらゆる噂が飛び交うなか、チャンスと見た個人投資家達が参戦していった。

  なぜ予測もできないこれだけ短時間のイベントに個人が参加できたか?

 その理由が、ネットトレーディングあるいはオンライントレードと呼ばれるインターネットを利用した相場取引の存在だ。 インターネットで情報収集しながら事業所や自宅で取引し、代金決済もオンライン。海千山千の証券マンを相手では腰が引ける初心者も気軽に始められることもあり、一般のビジネスマンや主婦などにも拡がりを見せている。

 財産運用、株主優待を目的とした株券購入など目的も様々だが、最近は短期間の売買で利ざやを稼ぐデイトレーダーが増えており、中にはそれで生計を立てるプロデイトレーダーも現れている。一人一人の取引金額は小さいが、数千人、数万人が時間単位で売買を行うとなれば、相場でも無視できない影響力となる。

 売買ごとの手数料が利益になる証券会社としては、こういった個人投資家達を囲い込もうとするのは当然だろう。 証券会社によって、ネット取引で取り扱える商品や手数料に違いがある。中国株や米国株などの海外株、通常売買単位の10分の1から投資できる『ミニ株』や夜間取引を取り扱っている会社もある。選んだ銘柄を毎月一定額で買い付けていく『株式累積投資』という方法もある。

  ビギナー向けに、一定期間の手数料免除やお試し体験版を提供しているところもあり、提供される情報量や方法などにも各社特徴があるので、これから始めようという人はまず証券会社のサービスを比較してみるといいだろう。

http://www.all-navi.jp/sec/                        (賢いネット証券の選び方)

http://www.rakuten-sec.co.jp/                     (楽天証券)

https://newtrading.etrade.ne.jp/ETGate               (イー・トレード証券)

http://www.monex.co.jp/                         (マネックス証券)

 膨大な情報から重要なものを入手した上で、最後は判断力。上述したジェイコムの一件でも、狙って買ったIPO株を株価急落という情報で慌てて売って損をした者もいれば、誤発注を見抜いて底値で買い高値で売り抜けた者、更に高値での買い戻しを予測し保有した者、尋常ではない情報に躊躇して買わなかった者、情報の有無とその判断で大きな違いが出たはずだ。

 情報も全てが正しいとは限らない。誤った情報が届くこともあれば、詐欺師も暗躍している。上場企業でも倒産する時代、いかに安全にみえる株券でも、明日には紙くずに変わる可能性があることは忘れないでほしい。

http://www.tse.or.jp/beginner/online/                  (東証ビギナー向け案内)

http://www.trade-bay.com/                          (日本デイトレーダー協会)

次回は新年初荷、中小企業に押し寄せる津波?「中小企業の環境変化」について。

2006年07月21日

オリナスコラム第28回 『情報家電』

 我々の世代ではデジタル版ウォークマンと言ったほうが判りやすいかもしれないが、iPod(アイポッド)が世界中で売れている。  いわゆるMP3プレイヤーと呼ばれるもので、音楽をデジタル化圧縮して録音再生するものだ。

 iが付くことでわかるようにアップル社の製品。いくつかのタイプがあるが、録音できる曲数はかなりのもので、メモリータイプで100曲から200曲、ディスクタイプになると2万曲という膨大な楽曲が記録できる。これをポケットに入れて歩きながら聞けるのだから、カセットテープに1時間かけて録音し、10曲程度を繰り返し聞いていた頃とは隔世の感がある。

 BMWや日産などはiPodと接続できるカーナビを搭載した新車も発表している。 このiPod、最近ではビデオまで再生できる機能を持っている。映画を観るというよりも、アーティストのPV(プロモーションビデオ)を見ながら音楽を楽しむという感覚だ。

 テレビ電話が楽しめる携帯、ハイビジョンテレビなど、デジタル化に対応し多彩な機能を持つ家電製品はデジタル家電と呼ばれ、最近の量販店の店頭はこれらデジタル家電製品で溢れている。 デジタル家電は高密度高集積技術により、低価格で高機能な製品が提供されている。綺麗な映像やクリアな音楽は、確かに気持ちを豊かにしてくれるが、果たして暮らしを豊かにしてくれるだろうか。

 デジタル家電がさらに進化し、環境や状況の情報をインタラクティブに活用しながら、我々に安全安心と快適さを提供するツール、情報家電となった時に最大の価値を生むのではないだろうか。

 超高齢化社会の到来と言われ続けながら、独居老人を含む高齢者家庭の支援対策は進まず、大学が潰れる少子化の時代に、子供達は通り魔的犯罪の危険にさらされながら学校や塾に通い、家で留守番をしている。プライバシー保護やセキュリティ対策など課題も多いのは事実だが、人の生命以上に重いものは無い。

 さて、政府が2001年にスタートしたe-Japan戦略が今年2005年までで一応の区切りを迎える。「世界最先端のIT国家となる」ことが出来たかどうかは評価が分かれるところだが、「すべての国民が低廉な料金で常時接続を利用できる」ところまでの通信インフラ整備は残念ながら実現していないのが事実だ。

 情報家電についても2002年から重点計画の一つとしてあげられており、タスクフォースや各種研究会でその推進について検討されてきたが、現段階ではまだ将来的な構想を示した程度だ。携帯電話のように、誰でも当たり前のように情報家電を使うようになるには、おそらくあと5年以上かかるのではないだろうか。 総務省と経済産業省が共同で今年5月から、「情報家電ネットワーク化に関する検討会」を開始しており、7月に中間とりまとめが公表されている。

http://www.meti.go.jp/press/20050720002/20050720002.html       (経済産業省)

http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050720_5.html              (総務省)

  これらの報告書やロードマップを見ても、解決すべき課題がいかに広く多方面に存在し、多くの難しい問題を抱えているかがわかるだろう。 数年前、情報家電は日本企業の得意なフィールドであり、日本経済再興のけん引役になるだろうと言われていた時期があったにもかかわらず、一向にその気配がない。

 その原因は、いまだに脱却できない構造不況による個人消費の低迷や、解消されていないデジタルデバイドの存在、家庭向けコンテンツの不足などいろいろ考えられるが、おそらく「情報家電は儲からない」と企業が考えているからではないだろうか。

 前述したiPodはアップル社の売上高や事業展開に大きく貢献しているのは間違いないが、ネットウォークマン(SONY)など競合機種との価格競争もあり、利益率の低下などから企業経営を圧迫する可能性も指摘されている。

 地上波テレビ放送デジタル化(地デジ)は過渡期で買い控えも多いなか、本格的な買い替え需要の波が来る前にプラズマや液晶ハイビジョンテレビは既に価格競争に突入している。少なくとも「デジタル家電は儲からない」と考えるだけの実態はあるのかもしれない。

  しかしながら、中国や台湾、韓国などアジア各国も2010年には全国で地上波デジタルテレビ放送開始を計画しており、通信インフラも超高速ネットワークの段階に突入する。

 これらアジア諸国の企業が、デジタル化された家電製品と高速ネットワークの組み合わせに、世界に向けた新しい市場を見ていないことは考えられない。 インターネットをベースとする以上、情報家電もオープンなプラットフォームの上でコンテンツが提供されていくだろう。

 5年後、果たして日本企業は家電や情報コンテンツで世界をリードしているだろうか。それともパソコン同様外国企業の顔色を伺いながら細々と製品製造しているのだろうか。 とはいえ、少なくとも家庭向けのサービスは、利用者地域でのキメ細やかな対応が不可欠であり、大企業の金太郎飴的なサービスだけで満足できるものではないだろう。

 そのなかで、利便性と企業利益だけが追求され、地域コンテンツの開発と民間不採算地域への行政対策がおざなりになれば、SF映画のように、荒廃した国土に高層ビルが林立する都会だけが点在する歪な日本になってしまうような気がするのは私だけだろうか。

次回は個人投資家が市場に影響力、「ネットトレーディング」について。

オリナスコラム第27回 『ユニバーサルデザイン』

 冒頭から私事で恐縮なのだが、9月に来襲した台風14号で自宅が床上浸水し、避難所を経由して現在も借家に仮住まいをしている。

 ちなみに、浸水被害は損害保険ではかなり低い査定対象となっており、罹災者負担が大変重いことを経験者として訴えておきたい。とにかく県内の被害は相当なものだった。特に山間地の被害は深刻で、ライフラインが遮断され、アクセス道路も通行できず正真正銘陸の孤島となってしまった地域もある。

 さて、今回災害の反省点として、避難勧告の方法や時期、災害情報の伝達に問題があったことが指摘されている。平時の防災関連情報を含めて、いざという時に市民が頼れる情報網の完備が必要だ。サイレンや消防車のスピーカで避難を勧告した。テレビやラジオで通知した。

 では視聴覚に障害がある人にも届くのか?嵐の中、四肢や視力に障害を持つ人、高齢者が自力で避難できるのか?日本語が使えない外国人であっても避難できるのか?災害時に限らず、こういった課題は点字ブロックや車椅子対応トイレといったバリアフリーだけで解決できる事ではない。

 都市や地域、建物、住民やシステム全体が、誰であってもそこで普通に生活し利用できること、それがユニバーサルデザインの考え方だ。                   ユニバーサルデザインフォーラム    http://www.universal-design.gr.jp

 日本では(株)ユーディットの関根千佳社長が先駆者の一人で、宮崎にも何度か講演で訪問されている。

(株)ユーディット     http://www.udit.jp/

  その講演で紹介された話を一つだけ転用したい。ある自治体施設を建築した時のこと、ユニバーサルデザインを考慮し、車椅子でも書類が書けるようにカウンター全体を低くした。担当者の弁「ユニバーサルデザインって費用節約になるんですねぇ。カウンターが半分の値段で済みました」

 特に○○用を別に作るのではなく、作る物を誰でも使えるように予めデザインすることで、費用をかけずに実現できることもあるということだ。 ○○用がバリアフリーであり、○○であることを意識しなくても快適に利用できるのがユニバーサルデザイン。○○には車椅子や高齢者だけでなく、視聴覚障害、外国人、子供など多くの言葉があてはまるだろう。

 もちろんユニバーサルデザインは特にITに限ったことではないが、行政や各種サービスの電子化が進み、生活ツールとしての使命や目的を考えると、ITがユニバーサルデザインを取り入れる必要性は高い。逆に、ユニバーサルデザインを考慮していないITは完成品とみなされない可能性すらある。

 今年7月、国土交通省がユニバーサルデザイン政策大綱を発表した。これまで建物や道路、公共交通手段にバリアフリー対策を求める政策を進めてきたが、それを進化させ、生活全般にユニバーサルデザインを普及する方針だ。

国土交通省 ユニバーサルデザイン政策大綱

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/01/010711_.html

 その中では、総務省が進めているu-Japan(ユビキタス社会)ともIT分野において連動している。       総務省u-Japan政策     http://www.soumu.go.jp/menu_02/ict/u-japan

  また、市民生活全般に関わる社会システムとしての訴求であることから、地方自治体でも取り組みを始めている。        

三重県      http://www.pref.mie.jp/UD/hp/index.htm                                熊本県      http://www.pref.kumamoto.jp/ud                               神戸市      http://www.city.kobe.jp/cityoffice/18/menu03/t/keikaku/ud/ud_top

 試行錯誤の段階も含めて、民間では商品やサービスにユニバーサルデザインを取り入れて開発する企業が急増している。

IBMバリアフリーの扉    http://www-6.ibm.com/jp/accessibility/index.html

日立デザイン本部      http://www.hitachi.co.jp/divisions/design/index.html

  

オリナスコラム第26回 『コミュニケーションツール』

映画やテレビドラマで今年話題の【電車男】。

 ご存知の方も多いと思うが、知る人ぞ知るインターネットの掲示板『2ちゃんねる』に書き込まれた数々の書き込みをドラマ化したものだ。

http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Aquarius/7075/index.html

 あまりこういったネット世界に慣れていない人は、ここに書かれている表現や言語に違和感を感じるかもしれない。 BBS、いわゆるパソコン通信時代から始まった、複数の人間が文字だけでコミュニケーションを図る世界は、実社会とは少し変わったルールやモラルが存在する。

 仮想世界に実社会を持ち込んでしまうと、時には異邦人扱いされ、非難を浴びることもある。 人間としての基本的なルールは同じだが、国が変われば価値観や法律も違う。文字だけの世界、お互いおそらくは匿名で、言葉に誰も責任を持たない世界に、居心地の良さを感じる人もいれば、嫌悪感を持つ人もいるだろう。   

 日本語が通じる別の国、と考えた方がわかりやすいかもしれない。 しかし最近、感情を伝えるための顔文字、仲間だけが判る省略語、日本人が好きな言葉遊びが独特に進化した言語が交わされるネット好きが集まる怪しげな仮想世界は、女子高生やOL軍団が、携帯メールというツールで侵攻し、一気に占領されてしまった。

 顔文字に至っては、携帯電話の漢字変換に標準で装備され、元々のネット住民であるオジサンが使おうものなら女の子から『きも~い!!』などと笑われる始末だ。 そんな中、ネット原住民が主流派のコミュニティで、最大かつメジャーな存在が、犯罪や事件にネットが絡むと必ず注目され物議をかもすこともある、この『2ちゃんねる』だ。      http://www.2ch.net/

 ところで、こういったコミュニケーションサイトは、これまでほとんどが個人向けに開設されており、サイトに集まってくる個人をターゲットとした広告やサービスがその資金源となっていた。個人は日記風に情報公開することが多いため、初心者でも簡単にホームページが作れ、更新できるサイトが人気を呼んだ。

 これがWebLOG(Web日誌)。最近では略してBlog(ブログ)と呼ばれ、2005年の流行語になりそうな勢いだ。このブログを、CMS(コンテンツマネジメントシステム)として企業が利用するケースが増えている。ホームページを活用する企業が増えているが、問題は更新作業。常に最新の情報を掲載し提供する必要が有るが、なかなか専門の人員は置けない。業者に依頼すると毎月の費用も嵩んでしまう。

 サイトの構成にもよるが、一般的な企業情報公開や商品情報提供で利用している場合、実際に頻繁に更新しているのは、主にテキスト(文字)が多く、補足的に写真などの画像を添付している程度だろう。そうであれば、ブログシステムを使用することで、専門知識がない社員でも容易にホームページを更新することが可能になる。

 ブログシステムは、ホスティング(レンタルサーバ)のオプション等で提供されている場合もあるので利用してみたいサービスの一つだ。 さて、企業でコミュニケーションといえば会議。テレビ会議やWeb会議室を利用する企業が増えているが、その理由は参加者の移動にかかるコストと時間の節約はもちろん、自動的に記録される議事録、資料の共有、タイムリーな開催など多くの効果があるからだ。

 同じ場に集まって議論する会議にも、全体の雰囲気や発言の呼吸など、目に見えない大切な要素があり、両方をうまく使い分けるのがベストだろう。 スケジュール管理やプロジェクト管理、会議室などを丸ごとグループウェアで運用するケースも多いが、このグループウェアに電話機能を持たせたサービスも現れた。

 IP電話ではなく、パソコン同士で通話するインターネット電話なのだが、複数人での電話会議やチャットもできる。契約(有料)すれば一般の電話とも通話が可能だ。 実は、この電話は『Skype』(スカイプ)。システム的には、著作権などで問題になっている「Napster」や「Winny」と同じP2Pソフトウェア。サーバを介さず、それぞれのパソコン同士で独立した通信を行うため、サーバのダウンや利用者集中による通信障害が無い。

 既に世界で数千万人が利用していると予想され、日本でも利用者が急増している。電話機型の端末など、Skypeに対応した付属機器も販売が始まっており、最近はパソコンショップの商品に『Skype対応』といったシールも良く見かける。

 日本では、ホリエモンのライブドアとバッファローが日本語版ソフトウェアを提供しており、下記にて入手できる。      http://skype.livedoor.com/       http://buffalo.jp/skype/

便利なツールは増えても、基本は人と人。生身のコミュニケーション(飲みニケーション?)もお忘れなく。

 次回はユニバーサルデザインついて。

オリナスコラム第25回 『ネットの落とし穴』

 浅田次郎の小説【天切り松闇がたり】は、明治大正昭和と激動する日本で義賊として活躍した目細一家の活躍を、最後の生き残りである主人公が、半端な現代人に語り聞かすという物語だ。

 「粋」「いなせ」「義理と人情」。豊かさと引き換えに日本人がなくしたモノが、この本の中で活き活きと語られていて、筆者の大好物だ。 物語に「百面相の書生常」という詐欺師が登場する。正体不明。膨大な知識と変幻自在の変装、時には大掛かりな仕掛けで獲物を騙し取ってしまう重要なキャラクターだ。

  人を騙すには、騙されていると思わせない「舞台」や「道具」が必要だ。最近ではインターネットが舞台や道具として利用されている。いくつか代表的なものを紹介しよう。

  「フィッシング詐欺」実在するクレジット会社等からのメールを偽装し、カード番号やパスワードを入力させるホームページに誘導する。

 入力させる内容が差し障り無いものなら、ほとんどの人が騙されたことさえ気付かないだろう。それくらいホンモノに近い。まだ事件が報道されていない頃、筆者にもVISAを騙ったメールが届き、危うく途中まで入力しかけたことがある。これがオンラインバンクを利用している銀行や航空会社のマイレッジあたりだったら引っ掛かったかもしれない。

 「オークション詐欺」商品を送らせて代金を支払わない取り込み型や、偽物を送ったり、商品自体を送らず代金を騙し取る売りつけ型などがある。

 架空口座、サクラ、評価の偽装など、グループで実行する手の込んだケースも多い。

 「架空請求詐欺」最近ワンクリック詐欺が急増している。いかにも個人情報を入手したように見せかけ、逃げられない恐怖感を与える手口だ。

 実際には、クリックしただけで個人を特定できる情報までは入手できない。 下記サイトや各都道府県警察などで情報を入手し、自己防衛をしっかりと肝に銘じて欲しい。とにかく安易に反応しないこと。

 http://www.npa.go.jp/cyber/index.html(警察庁サーバー犯罪対策室)

 一般的には、クレジット番号やパスワード、名前、電話番号、住所、生年月日などを知られなければ安心と思われている。確かにそれを防げば安易に悪用される心配は少ないが、特定のターゲットにされた場合は決して安心できない。

 例えばメールアドレス。加入するプロバイダが公表しない限り個人を特定できないと思われているが、そうとは言い切れない。ホームページの検索だけで個人を特定されることもありうる。

 スパイウェアも要注意。ウィルスの一種だと思っている人もいるが、そうではない。多くはソフトウェアの一部としてダウンロードの際に利用許諾書にも記載されている。しかし、悪用されるとウィルスよりも性質が悪い。

 キーロガー(キーボード入力を記録するソフト)を仕掛けられると、カード番号やパスワードなど重要な情報を盗まれてしまう。つい最近もインターネットバンキングで個人口座から不正送金された事件が報道されたが、これもスパイウェアが使われたと予想されている。

 インターネットカフェでの被害も相当数報告されている。 こういった犯罪は、今のところ個人をターゲットにするものがほとんどだが、手口が巧妙化し、組織的になってくると、今度は企業が狙われる可能性は高い。

  より安く、より効率的に商品や機材を手配するために、インターネットを利用する企業が増えている。これまでの取引相手は、地元の顔が見える会社だったり、長い取引実績がある会社だったが、インターネットでは顔も合わさず、海外との取引も可能だ。

  初めての取引で、メールだけで1億の商売を決めることは無いかもしれないが、取り込み詐欺の場合、最初は何度かしっかりと取引決済することを忘れないで欲しい。『これまで大丈夫だったからこれからも大丈夫だろう』という思い込みだけで大きな取引を信用で行うのは大変危険だ。

 正規機関で信用調査を行う保証金などにより一定の決済枠を担保するエスクローサービス(第三者預託制度)を利用するなど、リスク対策を忘れずに。 相変わらず個人情報流出が後を絶たない。

 会社でセキュリティポリシーを策定しようが、防御システムを構築しようが、情報を実際に使用するのが人間である以上、抜け道を100%閉ざすことは不可能だ。時間も手間もかかるが、社員のリテラシーと情報保護倫理を向上させていくことが絶対条件だろう。会社の信用度を測る基準に情報保護が加わる日は近い。 盗まれる大金など持たない筆者としては、目細一家やねずみ小僧のような義賊が現れることを期待しないでもないのだが・・。

 さて、次回は電車男も生み出したコミニュケーションツールについて。