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オリナスコラム【第13回】 補遺 企業に関する法律の改正の現状 (H16.10月) 

 本コラムでも繰り返し述べているように、現在商法を初め企業に関係する法律の改正が相次いでいる。その中でも商法の会社法分野の改正は毎年なされているが、来年には抜本的改正が予定されており、現在法案の作成が鋭意進行中である。会社法の改正案の中で、中小企業にとって関係の深い事項として、次のようなものがある。

1.最低資本金制度

 現行法では株式会社が1,000万円、有限会社が300万円となっているが、特別法により最低資本金規制が緩和され、極端にいえば1円で株式会社または、有限会社を設立することが可能となっていて、多くの起業に結びついている。  

 しかし、設立後5年以内に1,000万円若しくは、300万円に増資することを要することから、最低資本金規制についての撤廃についても議論がなされた。会社法の改正案では、最低資本金規制を完全に撤廃することにほぼ決定している。

 では、新しい会社法が成立後、現在の有限会社が株式会社に組織変更する場合はどうなるか。具体的に新会社法成立時の改正附則などで規定されるはずであるが、最低資本金規制を完全に撤廃するとなれば、有限会社が株式会社へ変更する際には資本金の増額という必要はなくなるものと思われる。

 2.有限会社の廃止

 これも中小企業にとっては大きな影響があると思われるが、新会社法では有限会社制度を廃止して、株式会社に一本化する方針である。すなわち、現在の中小零細な株式会社(定款で株式譲渡制限を規定している)と有限会社では実態があまり変わらないという認識から、有限会社を廃止し、株式譲渡制限を規定する株式会社の規制を有限会社並に緩和して、取締役会や監査役は置かなくてよいとするものである。

 この規制の対象となるのは、新会社法の施行後に新設する会社となる予定。新法施行前に設立した有限会社については商号中に有限会社を使用できるようにする。

 3.新しい企業形態としてのLLP(有限責任事業組合)の新設

 LLP(有限責任事業組合)とは、民法上の組合の利点である経営の形態や利益分配についての制約の少なさと株式会社の出資者の有限責任とを取り入れた制度である。  法務省は新会社法の中にLLC(有限責任会社)制度の新設を目指しているが、LLPは経済産業省が民法の特例法として2005年の通常国会での成立を目指す。

 基本的には、LLCとLLPはベンチャー企業向けに出資者の有限責任と経営の自由化を目指すという部分で共通しているが、根拠となる法律が異なるだけではなく税制の問題でも異なる部分がある(LLPは民法上の組合であり、会社のように法人格がないため法人課税はないとされる)ということである。

 企業形態の選択肢が広がりいわゆるベンチャー企業を興そうとする者には朗報かもしれない。2005年の国会で法律の改正が成立したならば、早ければ2006年度中に施行されることになる。従来の法律の知識では対応できなくなる事態も考えられるので、新会社法についての情報を常に収集しておく必要がある。