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株式会社オリナス: 【オリナスコラム】地方中小企業再生!<第2回>あなたの会社の経営力は大丈夫ですか?

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【オリナスコラム】地方中小企業再生!<第2回>あなたの会社の経営力は大丈夫ですか?

緊急取締役会で経営の厳しい実態が明らかに~自己資本比率、債務償還年数、借入金利子率に注意せよ!

 池溜氏が経営する中小企業は年商10億円で従業員は40名。今回の短期借入金資金の5000万円がうまく運ばなければ、資金繰りが回らない。そんな中、メイン銀行優秀支店の槍増氏から得た回答は、想定外の悪夢だった。これまで業容拡大とともに、メイン一行取引だけでなく、5行(※1)と付き合ってきた。一体どうしたことなのか?


前回のあらすじ;地方中小企業の経営者 池溜(いける)氏とは、決算書を携え、7月末に迎える運転資金の借り換えをしようとメイン銀行優秀支店の槍増(やります)氏を訪問。池溜氏がメイン銀行優秀支店の担当者、槍増氏に対し、“赤字”決算の状況報告を行った後の対応はつれないものだった。そして、いつもなら“OK!ですよ”と愛想のいい置家(おけ)支店長の同席もない・・・後日、“借り換えはできない”との回答があり、再生支援機関の紹介を受けた。「“再生”・・・(絶句)」


  悩んだあかつきに、一週間ほど前に聴いた経営講演会の講師を務めた経営コンサルタント谷氏にアドバイスを受けることにし、それに合わせて、緊急取締役会で対策を協議することにした。
 
(経営者 池溜氏) おはようございます。今回はメイン銀行から運転資金借り換   えができないとの回答を受けて、緊急取締役会で対応を練りたいと思います。しかし、30年もメイン銀行と取引をして、こんな回答はなかったので私自身も当惑しています。そこで、経営コンサルタントの谷氏にいろいろと教えて頂こうと思います。どうぞよろしくお願いします。

(経営コンサルタント 谷氏) こちらこそ、今日はよろしくお願い致します。
  では、早速、進めましょうか?まずは、経理部長の其池(それいけ)さん、今回は赤字決算ですが、今回だけですか?

(経理部長 其池氏) いえ、一昨年に3期ほど連続で・・・。

(経営コンサルタント 谷氏) えっ、3期・・・それで前期は黒字、今期が赤字ということですね。すると、現在、純資産はどうなっています?

(経理部長 其池氏) はいっ・・・申し上げにくいのですが、今回の赤字決算で
さらに増え、5000万円の債務超過状態になってしまいました。こちらが、決算書です。

(経営コンサルタント 谷氏) どれ拝見させて頂きます。
自己資本比率はマイナスということですね。なるほど、前期は、期末たな卸資産の増加で売上総利益率がアップし、その他の科目はおよそ前年並みですね。それで、黒字を確保。しかし、今期は税引後経常利益が赤字か。
ところで、立派な建物なのに、減価償却費が100万円ほどしか経費になっていないようですが、他に固定資産の未償却額はありませんか?そして、有利子負債の残高、平均残高に対する借入金利子率(※2)はどれくらいですか?

(経理部長 其池氏) ・・・実は、今年度は、赤字を抑えなければと思い、減価償却費当年分で500万円を計上しておりません。そして、有利子負債の残高は2億円、借入金利子率は3%ぐらいです。一昨年の投資の元本返済が今期決算で丸々入っていまして、なんとか、返済だけは滞らないようにしているのが現状です。

(経営コンサルタント 谷氏) そうですか。借入金利子率が3%という評価は厳しいですね。普通預金の残高は月商の三分の一。そもそも資金繰りがきつい。
さらに、お聴きしていた赤字額は500万円に、固定資産の未償却額500万円を加算すると、実質の税引後経常利益は1000万円の赤字ということですね。
現状、欠損金が5500万円ほどだから、実質、6000万円の欠損。有利子負債をフリーキャッシュフロー(税引後経常利益+減価償却費)で割った債務償還年数(※3)は、2億円÷100万円(△500+600)万円で、200年。これでは、メイン銀行から“再生”と言われても仕方がないぐらい厳しいですね。
  実は、当局が金融機関を検査する際の「某検査マニュアル」では資金を借りている企業の“債務者区分”の基準を設けています。それで、メイン銀行さんからみた御社の格付けはぎりぎり「要注意先」か「要管理先」で事業継続には、懸念がないけれども、今後の管理の仕方に注意を要すると見ている可能性があり、メイン銀行も債権額の約15%は引当金を積んでいるでしょう。
これで一度でも元本返済に延滞があると、銀行によっては、「破綻懸念先」として格付け、元本と利息が回収できない懸念があるとして債権の約75%を引当金として積まねばならず、場合によっては債権回収に動くこともあるでしょう。
これから、他の3行にも決算報告に行かれると、同じように厳しい見方が広がるでしょう。ところで、この会社の広大な敷地が貸借対照表に計上されていませんが、どなたの所有になりますか?

(経営者 池溜氏)
はい、私個人が会社に貸しておりますが、すでにメイン銀行の担保に入れています。他の3行にも、個人所有の不動産を担保に入れ、実勢評価は2億円近くあると思います。また、私個人の“現金”は“代表者勘定”で会社の運転資金に貸し出しています。
あの・・・先生、今後、我々はどうしたらよろしいでしょうか?

(経営コンサルタント 谷氏) いずれにしても、メイン銀行からの支援姿勢はあるようです。3ケ月間時間を頂き、金融機関さんに納得してもらえる再生計画の策定に着手しましょう。その間、その5000万円の借り換え分も含めて、元本返済を止めて頂くよう要請して下さい。
  決算書及び科目明細、固定資産の減価償却一覧、税務申告書を3期分、定款、会社案内等の書類を携え、再生支援機関の窓口に行きましょう。
それから、当面、Newマネーは期待できないので、目先の資金繰りを念入りにチェック。”入るを計りて、出るを制す“です。    (次号に続く)
 

▼△▼【まとめ】金融機関との協調関係をチェック!

1.債務償還年数(有利子負債/フリーキャッシュフロー)は10年以内ですか?

2.自己資本比率(純資産/(負債+資本)は2730%が目標!

3.借入金利子率(支払利息割引料/(有利子負債+社債+受取手形割引高)はあなたの会社の代表的なリスク格付け評価!



    1;中小企業白書2007年版によると、中小企業は複数の金融機関との取引がほとんど。従業員21~100人の中小企業の取引状況をみると、34.5%が4~5行、28.3%が6~10行、18.5%が3行、10.8%が2行、2.9%が1行、5.0%が11行~の順である。
    2;同白書によると、中小企業(全産業)の借入金利子率は2003年が0.8%、2004年が1.5%、2005年が1.5%となっている。
    3;同白書によると、中小企業(全産業)の債務償還年数は2003年が16.7年、2004年が11.7年、2005年が11.5年で、およそ10年超となっている。
   また、同データにより企業の安全性を示す自己資本比率は、2003年25.6%、
2004年26.5%、2005年27.4%となっている。債務超過とはこの比率がゼロ未満になることをいう。
              

             by 21世紀経営クラブ 株式会社オリナス 谷口行利

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