株式会社オリナス: 【第九話】プレゼンテーション物語~自分のことをもっと知ろう
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プレゼンテーション物語 第九話 自分のことをもっと知ろう
登場人物
浜田部長:エコ・フレンドリー社の営業部長 柔和な性格
清水課長:エコ・フレンドリー社の営業課長 物事をスパスパ切るのが得意
大野さん:エコ・フレンドリー社の総務女性 不安性な性格
河野くん:エコ・フレンドリー社の営業担当 広報の腕はピカ一なのだが…
古谷さん:プレゼンテーションアドバイザー 穏和な中にも厳しい言葉が特徴
古谷さんから教えられた「ブルーオーシャン戦略」。
既存の競争市場に飛び込むのではなく、他に競争相手がいない市場をつくりだし、そこに飛び込むことで優位に立とうというもの。
しかし、そのブルーオーシャンの市場をエコ・フレンドリー社はどうやってつくり出していけばいいのだろうか?
そこで古谷さんは一枚のシートをとりだした。
清水課長「古谷さん、そのシートは何ですか?」
古谷さん「はい。これこそがブルーオーシャン市場を見つけ出すためのツールなのです。
このツールを使って、今からここにいる皆さんで話し合いを始めてみましょう」
浜田部長「どれどれ…なんですか、このグラフは?」
古谷さん「これこそがブルーオーシャン戦略の切り札です。
しかしその前にやるべき事があります。
それはこの会社を取り巻く現状を知ることです」
河野くん「あ、それ知ってます。
SWOT分析ってやつですよね。
確か自社の強みと弱み、そして市場環境の脅威と機会を表にするってのでしょう」
古谷さん「そう、これはよく使われるツールなのですでにご存じでしょう。
ここでこのSWOTを作るコツがあります。
それは自社の強み、弱みよりも市場環境の脅威と機会を先に作ってしまうのです」
浜田部長「ほう、それはどうしてですか?」
古谷さん「私はこう思っています。
自社の方を先に行うと、市場環境について分析するときにどうしても主観的な見方をしてしまう。
すると客観的な市場環境分析ができなくなるものです。
逆に市場環境の方を先に客観的に分析をすることで、自社の強み、弱みも客観的な視点を保ったまま行いやすくなります」
清水課長「なるほどねぇ。
確かに自社のことになるとムキになったり、つい保守的になったりすることが予想されますね」
古谷さん「そうなんです。
さらにこのSWOT分析をするときには、できれば経営陣以外の方の視点も必要です。
今回は現場に近い河野さんや、総務と女性の視点ということで大野さんにも参加して頂くことで、より客観的な視点も得られると思いますよ」
大野さん「わぁ、私も役に立つのね♪」
古谷さん「えぇ、まずはブレーンストーミング形式で市場環境から見ていくことにしましょう」
こうして始まったSWOT分析。
古谷さんは模造紙と付箋紙を使って、ブレーンストーミングで市場環境の脅威と機会、そして自社の強みと弱みを出していきました。
大野さん「こうやってみると、この会社にもいろんな特徴があるんですね。
そしてどこを攻めればいいのか、私にもよくわかるわ」
古谷さん「でしょう。しかしこれだけで終わりじゃないんですよ。
次にクロッシングというものを行います」
清水課長「クロッシングって何ですか?」
古谷さん「今のはあくまでも要素を出したに過ぎません。
この中から『攻めるもの』『守るもの』『育てるもの』『捨てるもの』を明確にしていきます」
浜田部長「それってどうやればいいのですか?」
古谷さん「まずわかりやすいのが『捨てるもの』です。
これは自社の弱みと市場の脅威がクロスした要素。
ここでは、そうですね…あ、専門小売店での販売がそれにあたりますね。
この会社には小売店への流通ルートがないし、市場でもその規模は縮小傾向にありますから」
河野くん「なるほど。では『育てるもの』は?」
古谷さん「これは自社の弱みと市場の機会がクロスした要素です。
ここでいえば、DIYショップでの販売がそれにあたるでしょう」
大野さん「となると、『守るもの』が自社の強みと市場の脅威、『攻めるもの』が自社の強みと市場の機会がクロスしたところですよね」
古谷さん「その通り! さすが大野さんだ。
今の四つの要素は別のいい方にもなるんですよ。
『攻めるもの』は『増やす』、『守るもの』は『減らす』、『育てるもの』は『付け加える』、『捨てるもの』は『取り除く』ともいえます」
大野さん「そっちの方が私にはピンとくるかな。
じゃぁ、この中で『増やす』ってところを攻めればいいのね」
古谷さん「実はそうとも言い切れないのですよ。
私たちが狙うのは、あくまでも競合他社がいない市場です。
私たちが得意とする市場にすでに他の会社がいくつも存在しているのならば、それはレッドオーシャンに足を踏み入れることになります」
清水課長「ではブルーオーシャンを見つけるにはどうすればいいのですか?」
古谷さん「そこで最初にちらっと見せたグラフが活躍するのですよ」
古谷さんは最初にとりだしたグラフをあらためてみんなに見せた。
そこにはタイトルとして「サウスウエスト航空の戦略」と書かれてある。
古谷さん「これはアメリカで格安の航空料金で大成功をおさめたサウスウエスト航空の戦略例です。
この会社はただ単に料金を安くしたから成功したのではないのです」
浜田部長「どれどれ…ここでは他の大手航空会社と自動車、そしてサウスウエスト航空の三つを比較しているようですが」
古谷さん「そうなんです。
縦軸には『高い』『低い』を。
横軸には『価格』『機内食』『ラウンジ』『座席の選択』『乗り換え利便性』『サービス』『スピード』『便数』としています」
河野くん「おもしろいのは、他社と比較するのはわかるけれど自動車とも比較していますよね」
古谷さん「えぇ。実はここにブルーオーシャン市場を見つけ出す秘訣があるんですよ」
古谷さんが見せたグラフに見入る一同。
そしてここから何が始まるのかに期待を寄せています。
さぁて、古谷さんはここからどういった展開を見せるのでしょうか?
<続く>
●今回のポイント
1.SWOT分析は市場環境から客観的に始める
2.そこからクロッシングを行い、4つの項目を明確にする
3.「攻めるもの」の市場を安易に攻めないこと 狙うのはあくまでもブルーオーシャン市場
まずは自社とそこを取り巻く環境をしっかりと分析。
そしていよいよエコ・フレンドリー社はブルーオーシャン市場を見つける作業に取りかかります。
さて、サウスウエスト航空の例からエコ・フレンドリー社はどのような事実を見つけることができるのでしょうか?
次回はブルーオーシャン市場を見つける具体的な方法をご紹介します。
※参考文献「ブルーオーシャン戦略」ランダムハウス講談社
コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
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