株式会社オリナス: プレゼンテーション物語 第七話 プレゼンテーションのヒント
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登場人物
浜田部長 :エコ・フレンドリー社の営業部長 柔和な性格
清水課長 :エコ・フレンドリー社の営業課長 物事をスパスパ切るのが得意
大野さん :エコ・フレンドリー社の総務女性 不安性な性格
河野くん :エコ・フレンドリー社の営業担当 広報の腕はピカ一なのだが…
古谷さん :プレゼンテーションアドバイザー 穏和な中にも厳しい言葉が特徴
浜田部長 「先日はありがとうございました。
ほんのちょっとした見せ方の技術で、あんなにも格差が出るなんて。
これからいろいろとご指導のほどよろしくお願い致します。」
古谷さん 「いえいえ。
まぁ、私もちょっとお節介の虫がうずいちゃうときがあるもので。
でも、そのおかげで仕事になっているのも確かですけどね。
あははは。」
浜田部長 「で、早速なのですが弊社でもプレゼンテーションの専任チームを組もうと思いまして。
まぁチームといいましても小さな会社ですから。
なにはともあれ営業部の二人にやってもらうことにしました。
先日の展示会で私と一緒だった課長の清水と担当の河野、この二人にプレゼンテーションの技術を学んでもらい、今後は展示会やパンフレットの作成などを行ってもらう予定です。」
ここで古谷さん、ちょっと渋い顔をしています。
一体どうしたのでしょうか?
古谷さん 「清水さんと河野さん、お二人が専任、ですか……。」
浜田部長 「えぇ。それがなにか?」
古谷さん 「一つ質問してもよろしいでしょうか?」
浜田部長 「はい、なんでしょうか?」
古谷さん 「御社ではこういった専門的な技術を学んだり、研修を受講させたりすることはよくあるのですか?」
浜田部長 「まぁ、そんなに数は多くはありませんが。
実は展示会の前も課長の清水が営業スキルアップセミナーというものを受講してきまして。
あの展示会ではその手腕を発揮してもらう予定だったのです。
しかし、お客様が入ってこないのであればせっかく学んだ技術も無駄に終わってしまいますからねぇ。」
古谷さん 「ということは、一人が学んだ技術をうまく活用し切れていない、ということになるのですか?」
浜田部長 「え、えぇ、まぁ。
そういうことになりますね……。」
古谷さん 「それは今回の清水さんの件だけではなく、他にも同じようなことがあるのではないでしょうか?」
浜田部長 「ま、まぁおっしゃる通りかもしれません。
でも、研修を受講した後には報告会なるものは開いているのですが。」
古谷さん 「しかし、学んできた専門技術は、学んできた人しか活用することができない。
いや、下手をすると活用の場さえ与えられずにそのままになってしまっている。
そんなケースが多々あるのではないでしょうか?」
浜田部長 「ど、どうしてそれを……。」
古谷さん 「実はこのケース、御社だけではないのですよ。
外部の研修やセミナーで学んだことを、たった一人の人しか理解せずにうまく活用できない。
学んだ人はそれを活かそうと思っても、そのチャンスがなかなか回ってこなかったり、周りが理解してくれないから活かせない。
その結果、せっかく学んできたものが何の役にも立たない。
私は今までたくさんそのようなケースを見てきています。」
浜田部長 「じゃ、じゃぁどうすればいいのですか?」
古谷さん 「だから私はこのように提案しています。
まずはきちんとした会議を行いなさい、と。」
浜田部長 「会議、ですか?
会議なら営業部で毎週定期的に行ってはいますが……。」
古谷さん 「私の言っている会議のイメージは、今浜田さんが頭に思い描いているものとは多分異なりますよ。
そうですね、わかりやすくするために清水さんと河野さん、それとこの前一緒だった女性の方も呼んで頂けますか?」
こうして応接室に呼ばれた清水課長と河野くん、そして大野さんの三人。
古谷さんはこれから何をしようとしているのでしょうか?
古谷さん 「お忙しい中お集まり頂きありがとうございます。
今回はみなさんに一つ考えてもらいたいことがあって集まって頂きました。」
清水課長 「考えてもらいたい事って、この前の展示会のことですか?」
古谷さん 「それもあるのですが、その前に清水さんが学んできたという営業ノウハウについてです。」
清水課長 「あぁ、あれなら社内報告会で皆さんに伝えたと思うのですが。」
古谷さん 「では河野さん、清水さんの報告で何を学びましたか?」
河野くん 「え、何を学んだって……そ、それは……。」
清水課長 「おいおい、河野くんは何を聞いていたのだね。」
古谷さん 「では同じ質問を浜田部長に。
いかがですか?」
浜田部長 「え、私か?
いや、私は部下のやることを見守るだけだから……。」
古谷さん 「大野さん、でしたよね。
今のお二人の答えを聞いて、何か思うことはありませんか?」
大野さん 「なんだか不安になってきましたよ。
この会社、大丈夫なのかなって。
結局みんな自分のことしか考えていないんじゃないの?」
古谷さん 「では大野さんはどうしたらいいと思いますか?」
大野さん 「そうですねぇ。
やはり重要なことはみんなが理解できるように、きちんとした勉強会を開いたり、学んだことを元にどうしたら現状を打破できるかの会議を開いたりするのが大事じゃないかしら。
じゃないと、せっかく学んできたものが無駄になっちゃうでしょ。」
古谷さん 「だったら、先日の展示会の件ではどうすればよかったと思いますか?」
大野さん 「展示会の前に、お客様をどうやって呼び込んでどうやって営業するのかの作戦会議を開くべきでしたよね。」
河野くん 「そうそう、あのとき清水課長は『私にまかせろ』しか言わなかったんですよね。」
清水課長 「おい、そんなことは言っていないぞ。
まぁ、お客さえ入れば私がなんとかするとは言ったが。」
古谷さん 「今のでおわかりでしょう、だから会議が必要なのですよ。
しかも、きちんとしたものがね。
実は私はプレゼンテーションアドバイザーをやる傍ら、社内会議のありかたの改善も一緒に手がけています。」
浜田部長 「社内会議の改善、ですか?」
古谷さん 「えぇ。きちんとしたプレゼンの技術をマスターしただけでは、それは活かしきれません。
社内会議のあり方を変えて、社内のコミュニケーション力を向上し、そこに学んだ技術を投入することで、会社が一丸となって新しいことに望むことができるのです。
さらに、全員で取り組んだ結論を持って行動するので、確実に結果に結びつけることができるのです。」
古谷さんは応接室にいる四人のメンバーに力強くそう発言した。
<続く>
●今回のポイント
1. 一人が技術を学んでも、それを活かしきれていないことの方が多い
2. 一人の思いだけで事を進めても、思った通りには進まない
3. 会議を活用することで、学んだ技術を活かすことができる
新しいプレゼンテーションの技術を学べるかと思いきや、いきなり会議のあり方について説く古谷さん。
さて、エコ・フレンドリー社はプレゼンテーションの技術と会議のありかた、両方についての改革がはじまりましたよ。一体どうなるやら。
それは次回までのお楽しみに。
コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
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