株式会社オリナス: プレゼンテーション物語 第五話 そうだったのか
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登場人物
浜田部長 :エコ・フレンドリー社の営業部長 柔和な性格
清水課長 :エコ・フレンドリー社の営業課長 物事をスパスパ切るのが得意
大野さん :エコ・フレンドリー社の総務女性 不安性な性格
河野くん :エコ・フレンドリー社の営業担当 広報の腕はピカ一なのだが…
古谷さん :プレゼンテーションアドバイザー 穏和な中にも厳しい言葉が特徴
展示会二日目。
昨日はほとんど成果の見えなかったエコ・フレンドリー社。
何とかして人の流れをつくろうと、昨日は他社の調査をやっていたところ、
「プレゼンテーションアドバイザー」なる人物がいることが判明。
今日、その人物が再び現れることを期待しているのですが…
河野くん 「清水課長、何キョロキョロしてるんですか?」
清水課長 「いやな、昨日見つけたプレゼンテーションアドバイザーなる人物がもう一度
現れないかと思って探しているんだが。」
浜田部長 「よぉ。展示会の調子はどうだい?」
清水課長 「あ、浜田部長。いらしたんですね」
浜田部長 「うん。やはり気になってな。
しかし、我が社のブース、作りは立派だがあまり人が入っていないようだな…」
河野くん 「そこなんですよ。昨日それが気になって、他のブースとの違いを調査したんです
が。」
浜田部長 「ほぉ、なにかわかったのかね?」
清水課長 「それなんですけどね。そういった問題を解決するプレゼンテーションアドバイザー
なる人物がいるということはわかったんですよ。
昨日それらしい人を見つけたので、今日現れたら少しお話しを聞こうかと思い
まして…」
奥の商談コーナーで三人がそうやって会話をしているところ、
一人の男性がエコ・フレンドリー社のブースをじっと見つめているのを大野さんが見つけた。
大野さん 「我が社の製品に興味がおありですか?
よかったら中で詳しいお話しを聞いてみませんか?」
その男性は大野さんが促すまま、奥の商談コーナーへ足を運んだ。
慌てたのは商談コーナーにいた三人。
バタバタと接客準備をしてその男性を招いた。
すると…
清水課長 「あっ!」
河野くん 「課長、どうしたんですか?」
清水課長 「あのー、もしかしたらあなたはプレゼンテーションアドバイザーではないでしょ
うか?」
男 性 「あはは、なんだ。もうばれちゃいましたか。
おっしゃるとおり、私はプレゼンテーションアドバイザーをやっている古谷
(ふるたに)と申します。」
なんと、探していた人物が向こうからやってくるとは。
この男性に興味を持った浜田部長も交えて、三人で話をすることになった。
清水課長 「今回はまたどうして我が社のブースへいらしたのですか?」
古谷さん 「いやぁ、仕事がらいろんなブースを見て回っていたのですが、御社のブースが
ちょっと気になりましてね。
あ、そうそう。このアメおいしいんですよ。
皆さんもお一ついかがですか?」
古谷さんはバッグからアメの袋を取り出し、その一個を口に運んだ。
他の三人はその様子をあっけにとられた様子で見ている。
浜田部長 「あの…我が社のブースが気になったとは、どういうことでしょうか?」
古谷さん 「うーん、こんな事言うのは失礼かもしれませんが…御社のブース、あまりお客
様が寄らないのでは?」
河野くん 「ど、どうしてそれがわかるんですか?」
古谷さん 「それをご説明する前に、よかったらこのアメお一ついかがですか?
とってもおいしいですよ」
そう言われても、はぁとしか言わない三人。
アメなんかに興味を示そうとは思っていないのだ。
だが、その様子を見てにやりと笑った古谷さん。
古谷さん 「私ね、あまりのどが強くなくていつものど飴をなめているんですよ。
でも、市販ののど飴っていろいろ試したけれど、今ひとつ効くって感じにならないん
ですよね。
スーッとはするんですが、それだけでのどのイガイガがとれないんです」
河野くん 「あ、その気持ちわかります。
ボクも冬場はのど飴をよくなめますけど、なんかイマイチなんですよね」
古谷さん 「でしょ。でも、このアメはとってもいいんですよ!
これね、見た目はとてもシンプルでしょ。
しかし成分は健康酒のエキスを練り込んでいて、なめると血行を促してくれるんです。
ハッカの味がするんですけど、このハッカも生薬の成分の一つなんですよ。
それに、なめていくとカーッと熱くなって、のどにちょうどいい刺激がくるんですよ」
河野くん 「へぇー。それはすごいな」
そういって河野くんがアメを一つ口に放り入れた。
古谷さん 「市販ののど飴はこういった生薬成分を重視していないですからね。
どちらかというと味が優先していますね。
でも、このアメは昔ながらのシンプルなハッカ飴。
なのに、その成分は健康酒と同じで、なめると健康にもいいんです。
これは市販の他のアメでは絶対にありえないことです。
ここだけの話、結構元気になれるんですよ。」
古谷さんはくすっと笑ってそう言った。
その「元気」というのが何を意味するのかわかった浜田部長もくすっと笑ってアメを一つ
口に放り入れた。
古谷さん 「このアメをなめた人の話なんですが、口臭が消えるそうなんです。
どっかのおじいちゃんはいつもこれを大量に買っていくそうですよ。
他にも、軽い頭痛がしたときになめたら頭痛が軽くなったとか。
もちろん、のどの痛みにもすぐに効きますよ。
これは私が保証します!」
清水課長 「でも、それだけの成分が入っているんだったら結構高いんじゃないですか?」
古谷さん 「これが聞いてびっくり!
これ一袋でなんと250円なんです。
たぶん20個くらい入っているんじゃないかな。」
清水課長 「ってことは、市販ののど飴とそんなに変わらないですね。
でも、これってどこで売っているんですか?」
古谷さん 「もともと健康酒をつくっているところが小規模で販売していたんですが、
ある薬局がこれに目をつけてですね。
ちゃんと成分を調査してこれはいける!とふんだんでしょう。
今はその薬局と、そこを卸元として知り合いのお店だけで販売しています。」
清水課長 「ってことは、手に入れるにはどうしたらいいんですか?」
古谷さん 「そうですね、あとでその薬局をご紹介しますよ。
もうちょっとしたらインターネットでの販売も始めるらしいですから。」
ここでようやく清水課長もアメを一つ手にとって口に放り入れた。
それを見た古谷さん、再びにやりと笑った。
古谷さん 「これで皆さん、このアメに興味を持ってサンプル品を口に入れていただきましたね。
実はこれがプレゼンテーションの極意なんです。
そして、御社のブースに足りないところでもあります。」
浜田部長 「それはどういうことなのですか?」
古谷さん 「私が最初に『このアメ、おいしいですよ』といくら言っても
皆さんは興味を示さなかったでしょう。」
河野くん 「あ、そういうことか。
我が社でやっているやり方は『この商品いいですよ、どうですか』と
押し売りをしているようなものですよね。
展示しているのは我が社の製品のいいところばかりだ。」
古谷さん 「その通り。
しかし、私がちょっとした説明を入れることで皆さんは徐々に興味を示してくれた。
そしてサンプル品を口に入れてくれたというわけです。」
浜田部長 「ということは、その説明にヒントが隠されているのですね。」
古谷さん 「その通りです。」
清水課長 「そ、そのヒントを教えてくださいっ。」
プレゼンテーションアドバイザーの古谷さんの言葉でアメに興味を持ったエコ・フレンドリー社
の三人。
食い入るようにして古谷さんが言う「ヒント」の言葉を待ちわびていた。
<続く>
●今回のポイント
1. 商品のいいところを押し売りしても、相手は興味を示さない
2. 興味を持ってもらうための流れというものがある
3. 興味を持てば、その商品やサービスを手に取ってみようという気になる
突然現れたプレゼンテーションアドバイザーの古谷さん。
持っていたアメに興味を示してもらう流れに、プレゼンテーションをうまくやるヒントが隠されて
いるという。
そのヒントとは一体?
それは次回までのお楽しみです。
コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
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