株式会社オリナス: プレゼンテーション物語 第三話 バラバラの情報
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登場人物
浜田部長:エコ・フレンドリー社の営業部長 柔和な性格
清水課長:エコ・フレンドリー社の営業課長 物事をスパスパ切るのが得意
大野さん:エコ・フレンドリー社の総務女性 不安性な性格
河野くん:エコ・フレンドリー社の営業担当 広報の腕はピカ一なのだが…
親会社からの独占取引の中止を通告されたエコ・フレンドリー社。
急遽、いままでやったことのない営業とプレゼンテーションを行う羽目になった。
そのため、清水課長は営業セミナーへ。
河野くんと大野さんは商品PRのパンフレットを作成することになったのだが…
印刷屋 「とりあえずパンフレットはこんな感じではいかがでしょうか?」
河野くん「う~ん、こんな感じといわれてもねぇ…大野さんはどう思う?」
大野さん「ま、商品パンフレットとしてはこんなもんじゃないの?
よく見るカタログショッピングのチラシって感じかな」
印刷屋 「えぇ。そういったご要望でしたから」
河野くん「じゃぁこれで一万部印刷をお願いします」
大野さん「河野くん、部長にうかがいを立てなくてもいいの?」
河野くん「大丈夫だよ。この件はすべて任されているんだから。
予算だってそれだけいただいているんだし。
それにパンフレットは印刷屋に任せればいいって言ったのは浜田部長だよ」
大野さん「でもいきなり一万部なんて…それにそんな数、どこに配るのよ」
河野くん「それを考えるのは、営業セミナーを受講した清水課長の仕事。
こっちはパンフレットさえ作成すればいいんだから」
印刷屋 「あのぉ。じゃぁこれで一万部を印刷するってことで…」
河野くん「えぇ、お願いします。」
大野さん「本当に大丈夫かしら…」
プレゼンセミナーを受講させてもらえなかったことを不満に思い意地になっている河野
くん。その態度に不安を隠せない大野さん。
一方、営業セミナーを受講した清水課長は浜田部長へ報告です。
清水課長「今回のセミナー、大変勉強になりました。
早速学んだことについて取り組んでみたいのですが」
浜田部長「そうだな。早速実践に取り組んでくれたまえ」
清水課長「で、そのためにはツールとしてPR用のパンフレットかチラシのようなもの
が欲しいのですが。
我が社の商品のメリットをPRできるようなもがあると、営業もやりやすい
ですし」
浜田部長「その件だったら河野くんに任せているよ。
今日は印刷屋が来ていたから、打合せは進んでいると思うよ。
じゃぁ河野くんと合流して、そのPRパンフレットを作成してくれないか」
清水課長「わかりました」
こうして清水課長は河野くんと合流。
しかし時すでに遅し。
印刷屋はすでに印刷に取りかかっています。
清水課長「河野くん、商品PRのパンフレットの件はどうなっている?」
河野くん「あ、それならすでに発注済みです」
清水課長「なんだと? おい、浜田部長にはちゃんと決裁をもらったのか?」
河野くん「え、だってこの件は私に任されたんでしょう」
清水課長「おいおい。上司の私にもそのパンフレットをみせないままか?
とにかくどんなパンフレットになったのか、それを見せてくれ」
河野くん「はい、こちらになりますが」
清水課長「どれどれ…おい、なんだ。これじゃただのカタログショッピングのパンフ
レットと同じじゃないか」
河野くん「えぇ。それが何か?」
清水課長「それが何か、じゃないだろう。
こんなもので我が社の製品の特徴がわかると思うか?
載っているのは商品名と価格、そして簡単な説明だけじゃないか。
これじゃぁこの商品の売りがなんなのか、全くわからないぞ」
河野くん「お言葉を返すようですが、パンフレット自体の写真構成や色遣いはかなり
工夫したんですよ。
私は色遣いのノウハウやデザインの勉強を独自で重ねてきたんです。
パンフレットとしてはかなりインパクトがあるはずです」
清水課長「おいおい、この商品にデザインセンスなんかいらないんだよ。
おまえがどんな勉強をしてきたかはしらんが、これじゃ大企業がやるイメ
ージ広告と一緒じゃないか。
私たちは中小企業なんだぞ。
大企業がやるようなイメージ広告を打ち出しても、何のメリットもないわ!」
河野くん「それならそうと早く言ってくれればいいじゃないですか!」
清水課長「任せると言っても、おまえがすべて取り仕切っていいというものではない!
こういう仕事は、ちゃんと上司の決裁をもらってから進めるものだろうが」
大野さん「まぁまぁ。清水課長も河野くんも冷静になってくださいよ。
こんなところでいがみ合ってもしょうがないじゃないですか。
それにパンフレットはもう発注しちゃったんだし」
清水課長「そうだ、発注は何部したんだ?」
大野さん「当初の計画通り、一万部ですが…」
清水課長「なにっ!
おいおい、こんなパンフレットを一万部か…どこにこれを配布しろと言う
のだ」
河野くん「それを考えるのはセミナーを受講した清水課長の役目でしょう」
清水課長「ふぅ…こんな役に立ちそうもないものを…。
私の頭の中では、今度開かれる展示会でブースを借りて、そこで新たな取引
業者を捜し出そうと思ったのだが。
このパンフレットじゃ、取引業者へのPRもままならん」
河野くん「え、そんな用途で使おうと思ったのですか?
だったら最初に言ってくださいよ。
私だってそれを知っていたらもう少し工夫しましたよ。
てっきりエンドユーザー向けのパンフレットだとばかり思っていたから…」
大野さん「あらら、どうしてこうなっちゃったのよ…」
<続く>
●今回のポイント
1.PRパンフレット作成は独りよがりになっていないか?
2.何のために使うパンフレットか、それを見失ってはいないか?
3.個人が持っている情報を独り占めして組織を動かそうとしていないか?
さて、それぞれの思惑はこの先どのように展開していくのでしょうか?
それは次回のお楽しみです。
コーチ ユーアンドミー 古賀 ひろのり(オリナスパートナー)
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