株式会社オリナス: 展示会のコンセプトと商品構成は6ヶ月前から~これからどうなる?企業のプレゼンテーション!〔第3回〕
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プレゼンテーションの第3回目です。前回は、スイスのブランド時計の見本市を例に取り、”商売”という原理原則に立った最適のプレゼンテーションの場が展示会であると申しました。
さらに、どんな出展目的で、どんな目標を掲げて、何をどのようなカタチで情報発信し、お客様にどんな行動を期待するのかといった成果を明確にする必要があるとも触れさせて頂きました。
展示会も自社単独で取り組む場合と東京ビッグサイトなどで開催される業界団体が主催するテーマ別展示会やビジネスガイド社のような会社が企画主催する日本最大級のギフトショーのような情報発信型展示会などがあります。
ただ、いずれも経費や工数がかかることですから、自社のマーケティング方針の中で、費用対効果を十分に加味した取り組みが必要でしょう。
今回は、自社独自で展開し、約1,000名のお客様を動員し、1億円の受注目標を設定し、取り組む高額品の小売業の実践事例をご紹介致しましょう。 まず、会社においては、年間の経営目標の中で、営業としての数値を決め、”担保”として販促、イベント企画及び売上予算と経費を設定。
そこで、その核となるブランド側や取引先との意思疎通は欠かせません。年間の目標の共有と展開方針が決まる段階でもあります。その上で、半年前から仕掛けに入るというわけです。その仕掛けはさまざまです。
ブランド時計ならば、4月のスイスの見本市で出されるサンプルの新作を”お客様のお顔を思い浮かべながら”発注します。 そして、早ければ5月から6月頃に、ジュネーブ・バーゼル情報ということで、いろいろなGoodsマガジンやターゲットを明確にした雑誌メディアなどに特集が組まれます。
また、昨今の技術革新もあいまって、最近では、見本市の場にデジカメが登場し、自社のホームページやブログに即座にアップロードするところも出ています。スイスに居ながらです・・・。
つまり、その場ないしは可能な限り早く、市場や得意先に情報発信をし、予約や引き合いを得ることが、売上を創るのです。
さて、お話を戻します。受注を1億円創るということは並大抵のことでは成就できません。トップとマーケティング担当者はこの展示会のコンセプトと核となる商品構成(MD)を6ケ月前から検討。
そして、3ケ月前には実行委員会を組織し、社内キックオフ大会を開きます。 ここから、重要なのは、動員につながるリストアップです。リストアップは、動員目標の最低3倍。二日間で30名のお客様動員の場合は、90名分のリストを用意します。お越し頂ける確率3割です。
そして、リストアップをしたお客様の過去のお買上げ履歴やお支払い満了月やライフイベントなどをしっかりと確認し、推奨商品を明確にしていきます。 30名のお客様動員は、”(欲しいけど)買えない”を”買える”に変えるための商品の勉強会やおもてなし研修会、さらにはこの2日間だけでの特典により、10名のお買上げを生み出します。
展示会当日までの基本ステップをおさらいしてみましょう。全社一丸となるためのキックオフ会⇒的確なリストアップ(個別情報の量と質の確保)⇒メリハリのついた動員活動(足まめ、手まめ、電話まめ)⇒毎週一定日でのPDCAミーティング⇒動員状況の”見える化”(例えばカード式付箋に情報を記入し、チーム毎に周知を計ります)
そして、スイスで発注した魅力ある新作が並び、コンセプトメイキングの下にディスプレィされた快適な空間がお客様をお迎えするのです。
ところで、商売には、日常のプロパービジネスと非日常の展示会やキャンペーンなどの企画イベントがあります。プロパービジネスのみで順風満帆ならばいいでしょうが、結構、売上の閉塞感やマンネリ感を生じるもの。
一方、展示会やイベントの開催は、お客様にも新鮮な感動をもたらし、なによりも、お客様の購買意欲を引き立てます。と同時に、会社の魅力アップのみならず、社員の商品知識や接客・おもてなしのレベルアップを計るための仕掛けにもなるのです。
ところで、動員によりご来場頂き、お買上げになられた3分の1のお客様以外の方はどうなるのでしょう。 実は、残りの3分の2のお客様は展示会という”情報発信”により、次の見込み客になり、ファンの潜在客になって頂けるのです。
展示会は、単に売上を創るだけではありません。お客様を創造する役割を持っています。さらに、展示会は”モノ”を売るのではありません。モノ余りの時代に、単なるモノは売れません。モノに付いている”情報”や”ストーリー”、”お客様にとっての価値”を売るのです。
だからこそ、仕掛け(その最たるものが展示会やイベント)ができるかどうかは、対象とするお客様に”情報発信”ができる会社であるかどうかの踏み絵と言えるでしょう。